片方の目の前が暗くなる
中学3年生の息子が、片方の目の前が暗くなる症状に悩まされています。頻度は10日に1回くらい、10分ほどで自然に治まります。脳神経外科や眼科の検査で異常はなく、ストレスが原因と言われました。どうすればよいのでしょうか。(46歳女性)
片頭痛の一種の疑いも
清沢源弘 清沢眼科医院院長(東京都江東区)
症状を聞くと、脳ではなく、眼球から視神経までの病変が考えられます。片方の目の視力が一時的に下がったり、視野が欠損したりする「網膜片頭痛」が最も疑われます。
脳血管の収縮や拡張により、機能が一時的に低下する片頭痛の一種です。目の異変は次第に強くなり、1時間程度で解消します。その後、同じ側の頭痛が75%程度あります。
典型的な症状として最も多いのは、片方の目の視力が完全に喪失することです。視界が暗くなったり、視力が増減したりすることもあります。症状が似ている脳卒中や腫瘍、網膜 剥離 などではないことを確かめることが重要です。
網膜片頭痛はストレスや高血圧、喫煙などで誘発される傾向があります。パソコン画面の長時間の凝視や、照明が強い場所での作業などが引き金になることもあります。明確な理由は不明ですが、若い女性の発症リスクが高いとされています。このほか、ご本人や家族に片頭痛の病歴がある場合も注意が必要です。
日常生活に支障をきたす場合には、片頭痛の治療薬を使います。眼科の専門医に相談してください。