ウェルネスとーく
医療・健康・介護のコラム
[タレント 杉原杏璃さん](上)グラビアの傍ら株で成功 「強い私」が飛行機で気絶、パニック障害に…30代「自分の株価」を考えてしまい
「人一倍強い人間」だと思っていたのに…
――大きな病気の経験はありますか?
手術をするなど、内科や外科の大きい病気やケガをしたことはありません。でも、30代になって、精神面、メンタルが弱くなったことがあります。
自分自身、びっくりしました。人生で過去にそんな経験はなかったし、まさか自分が不安・パニック障害になるとは思いもしませんでした。自分を「人一倍強い人間」だと思っていた私が、飛行機に全く乗れなくなったのです。乗ると、1分もしないうちに気絶してしまう。治し方も分からないし、しばらくはすごく大変でした。タクシーに乗ると、怖くなって車外に出たくて仕方がなくなる。タクシー移動の途中で救急病院に駆け込んだこともありました。
――いつ頃の話ですか?
3、4年前の話です。半年間ぐらいでしょうか、自分で自分をコントロールできなくなりました。心療内科のいい先生に巡り合え、薬を飲んだら回復しました。30代の半ばになって、グラビアアイドルという仕事の寿命から、「自分の株価」「自分のアイドルとしてのピークアウト」などを考えて、壁にぶつかってしまったのでしょうね。
仕事のことが原因だったにもかかわらず、仕事の最中は一切パニックにならなかったので、逆に仕事は「救い」でもあったんです。仕事に集中できて、たとえ、おなかの調子が悪くても、本番中はピタッと止まる。そんな私を見て、マネジャーが途切れることなく、コンスタントに仕事を入れてくれました。そして現場では、楽しい空気を作ってくれた。それも治った要因だと思います。医師が「とにかく無理しなくていい。やりたくないことはやらないでいい。ちょっと起伏のあるタイプの性格で、たまたま良くない方向に振れただけ」と言ってくださったのもよかった。
今の息抜きは愛犬
――もうすっかり回復して?
はい、今は元気です。年齢のことなどは、考えても仕方ないということに気付きました。「なるようになる」と割り切りました。今は結婚し、精神的なバランスもとれ、すべてをほどほどに、楽しみながら日々を送っています。怖いものなんてなかったほど強かった私が、メンタルの病気になるくらいですから、誰にでも起こりうることだと思います。同じ世代の女性には、息抜きができることを持った方がいいと伝えたいですね。
今の私の息抜きは愛犬です。チワワですが、子どものようにかわいがっています。帰宅すると、いつも遊んでいます。散歩に行くのも楽しいかな。最近では、犬のために早く家に帰ろうと思うほどなんですよ。
すぎはら・あんり
1982年生まれ、広島県出身。グラビアアイドルとして写真集やDVDなどで活躍。近年は投資家として「株タレント」と呼ばれ、テレビ番組や投資イベントなどに活躍の場を広げている。補整下着のブランドを設立して、通販番組でヒットを記録する実業家の顔も持つ。自伝的小説「…and LOVE」は映画化、2017年に公開され、話題を呼んだ。
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