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コラム

「焦らなくていいよ」…軽視される20代の不妊の悩み 経済的負担も壁に

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体外受精で生まれた子、ついに出生児の6%に!

 みなさんは「不妊治療」というと、何を思い浮かべられるでしょう。「費用が高い」「大変そう」「年齢が上の人が受けるもの」、そして「自分とはあまり関係ない」などではないでしょうか。

「焦らなくていいよ」…軽視される20代の不妊の悩み 経済的負担も壁に

 しかし、今、日本では5.5組に1組のカップルが不妊治療を受けていて、それによって生まれる子どもも年々増え続けています。「日本産科婦人科学会」の最新のデータによると、2017年に日本で行われた「体外受精」等の治療は全部で44万8210周期、生まれた子どもの数は5万6617人であり、その年の出生児数94万6065人の約6%を占めました。つまり「日本全国で生まれた赤ちゃんの16.7人に1人が体外受精以上の治療で生まれた」ということです。累積では59万3354人にものぼります。

 さらに、これは人工授精などの治療を含まない数字です。体外受精とは、卵子を手術で取り出し、採取した精子を振りかけて受精させ、受精卵を女性の子宮に戻す治療ですが、その手前の段階の「人工授精」という治療もあります。これは、採取した精子を子宮の中に送って妊娠を促す治療で、金額も通院回数も体外受精ほどの負担がなく、その治療を受ける人も大勢います。もし、この人工授精で生まれた子どもを数に入れると、おそらく「不妊治療で生まれたこどもの割合」はもっと高くなるでしょう。つまり、不妊治療は今やそれほど身近なものになってきているわけです。

 棒グラフは、体外受精等の不妊治療数の推移を表したものです。2016年から17年の伸び率はやや穏やかになっているものの、これまでは右肩上がりで増え続けていることがわかります。

(日本産科婦人科学会のデータをもとにNPO法人Fine作成)

(日本産科婦人科学会のデータをもとにNPO法人Fine作成)

治療年齢 最多は40~45歳未満 20代の患者も増加

 このグラフを見ると、治療をしている年齢で最も多いのは40歳~45歳未満の36%で、次に多いのが35歳~40歳未満の35%。25歳~30歳未満の割合は全体の4%にすぎず、ごく少数派に見えます。しかし、実はそうでもありません。なぜなら、この数字は「治療の回数」であって「人数」ではないからです。もしも仮に「出産するまで治療を続けたとしたら」、当然、高齢であるほど治療回数は増えてきます。

 例えば2017年のデータで言うと、最もボリュームが多かった40歳~45歳未満の出産率は6%、25歳~30歳未満は22%と、約3.7倍の違いがあるわけです。したがって、若い年代で治療をしている人数はもっと多いと想像できます。実際、不妊治療施設では、20代の患者さんが増えてきていることも近年話題となっています。そして、そこにはあまり知られていない「若い世代だからこその不妊治療の悩み」も存在します。

(同上)

(同上)

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松本亜樹子(まつもと あきこ)

NPO法人Fine理事長/国際コーチ連盟認定プロフェッショナルサーティファイドコーチ

 長崎市生まれ。不妊経験をきっかけとしてNPO法人Fine(~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~)を立ち上げ、不妊の環境向上等の自助活動を行なっている。自身は法人の事業に従事しながら、人材育成トレーナー(米国Gallup社認定ストレングス・コーチ、アンガーマネジメントコンサルタント等)、研修講師として活動している。著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版)など。
Official site:http://coacham.biz/

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