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難病法5年目の現場(2)スマホアプリで自宅受診

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難病法5年目の現場(2)スマホアプリで自宅受診

つえを使って歩く大崎さんと、付き添う文夫さん(千葉県木更津市で)

 千葉県木更津市の大崎ヤチ子さん(79)は、夫の文夫さん(80)が運転する車で川崎市の聖マリアンナ医科大病院に通う。東京湾を横断する高速道路を使っても往復4時間ほどかかる。病気が進み、年もとったため、通院の負担は重い。

 体に異変が起きたのは60歳を過ぎてからだ。足を引きずるようになり、整形外科やマッサージなどに通った。背骨が圧迫され、足に痛みが出る病気だと言われたが、良くならない。2012年11月、人づてに紹介された同大教授の山野嘉久さんの診察を受けた。

 血液や髄液を検査した結果、母乳などを介してウイルスが感染する「HTLV―1関連脊髄症( HAMハム )」と診断された。ウイルスを持つ人の0・3%が発症する患者数3000人程度の神経難病だ。徐々に歩行が困難になり、車いすや寝たきり生活を送る人も多い。

 診断後、「私もそうだったか」と思った。鹿児島県出身。40年ほど前、九州に住むきょうだいがHAMを発症した。他のきょうだいも大半がウイルスを持っている。大崎さんは元気だったことから、特に気にとめず、検査を受けなかった。

 治療を始めて7年。つえがないと歩くのが難しくなった。文夫さんも80歳を迎え、運転に不安を感じ始めた。山野さんに相談し、通院を2か月に1回と、従来の半分に減らした。

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