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僕、認知症です~丹野智文45歳のノート

医療・健康・介護のコラム

デイサービスで歌うなら、ブルーハーツがいい

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高齢者も世代交代

 なるほど。確かに、私もザ・ブルーハーツの曲を聞くと、弓道部の活動に明け暮れた中学、高校時代の思い出がよみがえってきます。子供の頃に大好きだったガンダムなんて、いまだにプラモデルを作ったり、関連イベントに出かけたりしているくらいです。

 知人の話には納得できる部分もあったものの、昔の唱歌や童謡といった「定番」は、やっぱりそろそろ見直してみてもいいんじゃないかと私は思います。

 今の70代、80代は、終戦後に青春時代を送った人たちです。中には、ロックやジャズに心を躍らせ、スターにあこがれた人もいるでしょう。10年前とは、介護を受ける世代が変わってきているのですから、レクリエーションやリハビリの曲も変えていくのが、自然な流れなのではないでしょうか。

介護受ける人は、意外に「若い」?

 音楽に限らず、例えば、デイサービスにホームシアターがあって、好きな映画を見られたら、高齢者だって楽しめると思いませんか? そこまでお金をかけなくても、タブレットの持ち込みがOKなら、インターネットで好きなコンテンツを見たり、コンピューターゲームをプレーして、楽しく過ごせる人もいるでしょう。

 職場でも家庭でも、高齢者や認知症の人に関わる機会があるなら、本人に直接、何をやりたいか聞いてみてください。思ったより「若い」答えが返ってくるかもしれませんよ。

 そしていつか、私が介護を受けるようになる頃には、デイサービスの部屋からブルーハーツのメロディーが流れてくるようになっていたらいいなあと思うのです。(丹野智文 おれんじドア実行委員会代表)

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丹野智文(たんの・ともふみ)

 おれんじドア実行委員会代表

 1974年、宮城県生まれ。東北学院大学(仙台市)を卒業後、県内のトヨタ系列の自動車販売会社に就職。トップセールスマンとして活躍していた2013年、39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断を受ける。同年、「認知症の人と家族の会宮城県支部」の「若年認知症のつどい『翼』」に参加。14年には、全国の認知症の仲間とともに、国内初の当事者団体「日本認知症ワーキンググループ」(現・一般社団法人「日本認知症本人ワーキンググループ」)を設立した。15年から、認知症の人が、不安を持つ当事者の相談を受ける「おれんじドア」を仙台市内で毎月、開いている。著書に、「丹野智文 笑顔で生きる -認知症とともに-」(文芸春秋)。

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