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一病息災

闘病記

[ミュージシャン DJ KOOさん]脳動脈瘤(2)妻子と医師 開頭後押し

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 テレビ局からの帰り道、車の中から妻に電話をし、番組で脳動脈 りゅう が発見されたことを伝えた。

 「受話器の向こう側が『え?』と、不安と恐怖に固まったのがわかりました」

 それでも、帰宅までの短い間に、妻と高校生の娘が協力し、病気や治療法について大量のネット情報を仕入れて待っていてくれた。

 治療の選択肢は2通り。一つは、開頭して、金属で動脈瘤を固定し、血流を遮断する「クリッピング術」。もう一つは、足の付け根や腕の動脈から細いチューブ(カテーテル)を通し、動脈瘤の内部にごく細い針金を詰め込んでふさぐ「コイル 塞栓そくせん 術」だった。

 どちらを選ぶべきか。

 治療の確実性では開頭してのクリッピング術が上回るが、体の負担はカテーテルのほうが少ない。

 「頭を開くのは怖い。治療後、仕事復帰までの期間も短いと聞いたので、気持ちはカテーテルに傾きました」

 妻子の思いは逆だった。

 「仕事以前に、ずっと一緒に生きていける、より確実な治療を選んでほしい」

 さらに、主治医である札幌禎心会病院脳神経外科の上山博康さんの言葉も胸に響いた。

 「(開頭手術も)任せてください。脳動脈瘤とともに、仕事や日常生活への負担も含め、あなたの今後の人生も手術します」

 心は決まった。

ミュージシャン  DJ KOOディージェイ コー さん(58)

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