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足の付け根にゴルフボール大のぽっこり、激痛…大人の「そけいヘルニア」闘病記

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術前外来で不安に耳を傾けてくれた

 入院前には「術前外来」というものがあり、看護師、麻酔科医師、薬剤師と面談し、体と心の十分な準備と術後の過ごし方を教えてくれました。また、手術の流れや注意点について詳しく説明をしてくれたうえ、患者の不安にも耳を傾けてくれたので、気持ち的にかなり楽になりました。

手術直後

手術直後

手術から1週間後。傷はほとんど目立たない

手術から1週間後。傷はほとんど目立たない

 そして9月11日午前中に入院。手術は翌12日午前9時に決まりました。当日早朝、血栓予防の医療用ハイソックスをはきました。手術中は血流が悪くなり、血液の塊ができやすくなるためです。また、麻酔の副作用を軽減させる亜鉛、銅を含んだ飲み物を飲みました。

 手術着に着替え、付き添いの看護師と手術室へ向かいます。手術室は寒く感じましたが、手術台のマットは保温されていました。外科医2人、麻酔科医1人、看護師3人の6人体制で手術が始まりました。心電図、血圧計、点滴などの器具が、手際よく両腕に装着されます。鼻と口にマスクを当てられ、酸素を吸って気持ちをリラックスするように指示されました。それから、「麻酔薬を徐々に点滴に入れます」と言われた途端、全身が熱くなるような感覚があり、記憶がなくなりました。

 目覚めると、ベッドの両側に看護師が立っていました。手術室とは別の部屋に寝かされ、手術が無事に終わったことを告げられました。時計を見ると正午過ぎでした。

 しばらくして病室に戻り、手術が終わって3時間後には歩行訓練が始まりました。腹部に力を入れると患部が痛むので、ベッドから起き上がるのがひと苦労でした。私が一番心配していた麻酔の副作用ですが、幸い、ほとんど症状は出ませんでした。

予定通り、3泊4日で退院

 後は予定通り、手術から2日後の14日午前に退院。医師からは「退院後2週間ぐらいは、腹圧をかけず、5キロ以上の荷物はなるべく持たない」「1週間は湯船に入らず、シャワーのみ」「激しい運動は4週間程度控える」などの注意を受けました。

 退院後はしばらく、よく (せき) が出て、止まらないことがありました。術前外来で「気管にチューブを入れるときや、長時間の人工呼吸で声帯に少し傷がつき、喉の痛みが出たり、かすれ声になる」と、全身麻酔による合併症リスクの説明があったことを思い出しました。とはいえ、退院した翌週には無事に出張に出かけられ、術後1か月を過ぎたころには咳も治まりました。腹腔鏡手術のおかげかもしれません。手術をした右そけい部は、時々つるような感覚がありますが、傷痕もほとんど目立たず、痛みはもうありません。

日帰り手術のクリニックも多いが……

 今回、手術を受ける病院を決める際、ネットで検索していろいろ調べました。その結果、日帰り手術を行うクリニックが多くあることを知りました。日帰りなら職場の復帰計画が立てやすい上、治療費も比較的安くなるなどのメリットがあります。

 そんな時、行きつけの小さな飲み屋で店主に「ヘルニアで近いうちに手術をしなければならない」と話しましたところ、店主は「ヘルニアの日帰り手術を受けたお客さんがいて、数日間つらそうに歩いていた姿を見たよ」と教えてくれたのです。「それなら、やはり病院にいた方が安心だ。入院して手術を受けよう」と決めました。

 今回、手術前には多くの検査があり、医師は、その結果を基に最適な手術方法を決めてくれたと思います。私の場合、症状が出始めてから正しい診断を受けるまで、少し時間がかかり過ぎたのが反省点ですが、治療には大変満足しています。

 ※そけいヘルニア  足の付け根の筋肉の隙間から、腸が飛び出してくる病気。「脱腸」とも呼ぶ。飛び出た腸が隙間の部分で締め付けられると、痛みが出たり、血流が滞ったりする。子どもの場合は生まれつきのものだが、大人の場合は筋肉が弱くなったり、肥満で腹圧が高まったりすることなどが原因で起きやすい。手術では、子どもの場合は隙間を閉じれば良いが、大人の場合は腹壁を補強するためメッシュなどを当てることが多い。

秋山栄二

秋山栄二
 1980年、読売新聞東京本社入社。58歳。制作局、総務局、秘書部などを経て、2007年からメディア局。現在、配信事業やデータベース事業の運営や営業などを担当している。

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