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足の付け根にゴルフボール大のぽっこり、激痛…大人の「そけいヘルニア」闘病記

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 こんにちは。読売新聞東京本社メディア局事業部で、ニュース配信事業(ヤフーニュースや新幹線車内の文字ニュースなど)の運営サポートや、新聞記事データベース「ヨミダス歴史館」の販売促進事業を担当している秋山栄二です。「そけいヘルニア※」という病気を、ご存じでしょうか。「脱腸」と言った方が、なじみ深いかもしれません。私は今年、思いがけず、その手術を受けました。珍しい病気ではないので、同じ病気にかかった方に何か参考になればと思い、経過を紹介させていただきます。

立ち仕事が続いていたある日、右そけい部がズキズキ

足の付け根にゴルフボール大のぽっこり、激痛…大人の「そけいヘルニア」闘病記

 最初に症状が出たのは2018年11月。横浜のイベント会場で連日、立ち仕事が続いていました。ある時、突然、右そけい部にズキズキと痛みが走りました。後で知りましたが、そけいヘルニアは立ち仕事で腹圧がかかっていると起きやすいそうです。その時は、これまでにない感覚に「盲腸かも?」と不安になり、近くの内科クリニックを探しました。

 受診して超音波検査を受けると、医師から「盲腸じゃないね。特に問題はないと思うよ」と説明されて、ひと安心。整腸剤を処方してもらい、1週間様子を見ることになりました。友人に話すと「もしかしたら脱腸じゃないの?」と言われましたが、クリニックで「問題ない」と言われたので、脱腸についてよく知りもしないのに、「脱腸であるわけないだろう」などと言い返していました。

銀座で激痛に襲われ、百貨店の椅子に座り込む

 その後も違和感はありましたが、気にしないように生活していました。週末に自宅周辺をジョギングしても痛みは出ませんでした。ところが、年明けの2月下旬、出先での仕事を終えて銀座を歩いていると、これまで経験がない激痛に襲われました。思わず、近くの百貨店の椅子に座り込みました。しばらく休み、激痛が治まるのを待ってから、ゆっくりと歩いて会社へ戻ると、不思議と痛みは消えていました。

海外旅行先のホテルでシャワー中に膨らみを発見

 それ以降も、重たい (かばん) を持って長時間歩くと少し痛むことがありましたが、銀座で襲われたような激痛はなかったので、忙しさにかまけて、数か月間、放置していました。

 それを後悔したのは、お盆休みに出かけた海外旅行中のことです。重たいスーツケースを引きずって歩いたせいか、右そけい部に違和感がありました。痛みはさほどなかったのですが、ホテルでシャワーを浴びた時、ゴルフボール大ぐらいのポッコリとした膨らみを右そけい部に発見したのです。これには、ひどく慌ててしまい、「脱腸じゃないの?」と言った友人の言葉を思い出しました。

膨らみを手で押し込みながら予定通り観光

 ベッドにあおむけになってしばらくすると、膨らみは不思議となくなりました。「やっぱり脱腸か…」と思い、旅行先から友人の医師にメールで症状を伝えました。友人は「それは、たぶんヘルニアだよ」とすぐ返事をくれました。膨らみを手で押し込むと、痛みが和らぐことも教えてくれました。無謀に思われるかもしれませんが、翌日は時々、膨らみを手で押し込みながら予定通りに観光し、幸いにも強い痛みは出ませんでした。

 帰国後、8月23日に紹介状を持って東京都済生会中央病院(東京都港区)を受診しました。超音波検査で、右そけい部の筋肉に2.5センチの隙間が見つかりました。やはり、そけいヘルニアでした。おなかに力が入った時などに隙間から腸が飛び出し、痛みが出るのです。

筋肉の隙間をシートでふさぐ腹腔鏡手術

 手術は9月12日に決定。前日入院し、最短3泊4日で退院できるとのことでした。手術では、筋肉にできた隙間をメッシュ素材のシートでふさぎます。方法は、膨らんだ部分を外から切開する開腹手術と、おなかに開けた数か所の小さな穴からカメラや手術器具を入れて行う (ふく)(くう)(きょう) 手術があると説明されました。腹腔鏡手術は、無症状の左そけい部の状態を確認できるという利点もあります。1週間後に出張の予定が入っていたこともあり、体への負担が小さく、社会復帰が早い腹腔鏡手術に決まりました。

全身麻酔の副作用が心配だった

 手術は全身麻酔です。私はこれまで局所麻酔の手術しか経験がありませんでした。初めての手術は、中学3年の時、交通事故で左足首を複雑骨折した時です。また、今から10年ぐらい前、PSA検査(PSAの値が高いほど前立腺がんの可能性が高まる)で基準値の倍近い値が出たため、以来、約3年ごとに前立腺に針を刺して組織を調べる検査を受けています。どちらの手術も下半身麻酔ですが、手術後にいつも頭痛や吐き気などの副作用に悩まされていました。人間ドックの胃カメラ検査の麻酔でも同様です。ですから、全身麻酔には不安が強いことを医師に伝えました。

 また、事前に歯科検診を受けるように言われました。「どうして?」と思いましたが、全身麻酔手術では人工呼吸器のチューブを口から気管に入れるので、虫歯やぐらついた歯があると、細菌感染による肺炎が起きたり、チューブを出し入れする際に歯が欠けたりする恐れがあるからだそうです。

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