認知症介護あるある~岡崎家の場合~
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ホメゴロシで「家に帰りたい」に終止符!?…父さんの施設入所(4)
5歳児には渋すぎた?
みんなに褒められて気をよくした父さんは、私といつも一緒に面会に行く孫のたー君にも「どうだ!」と、作品を披露します。
ところが、空気を読まない5歳児は、認知症のじいちゃんにも容赦ありません。「これ、何の絵なの?」と、褒めるどころか困った顔をして首をかしげています。
老健が用意してくれたぬりえは高齢者向けなので、「干し柿を作るお母さん」「広場で紙芝居を楽しむ子どもたち」など、平成生まれのたー君の知らない、日本の懐かしの風景ばかり。
自信にあふれていた父さんの顔が曇ります。「黄金バットの紙芝居、知らないのか?」と言っても、たー君は「それ、なあに~?」と、超ドライな反応。しばらく2人はかみ合わない会話を続けていました。
新たな問題が発生です。前と比べれば、いたって平和な悩みではありますが……。次回、面会に行くときは、たー君にもなじみ深い、イマドキの戦隊ものや人気のキャラクターのぬりえを購入して持っていこうと思っています。
迫る老健のリミット
こうして、老健での生活がやっと落ち着いてきた父さん。ところが老健は、リハビリを目的とした施設のため、原則として一定期間が過ぎたら退去しなくてはならず、その期限が迫ってきました。申し込みをした5か所の特別養護老人ホームは、どこからも「入所の順番がきました」という連絡はありません。
父さんの次の行き先を考えなくてはなりません。一難去ってまた一難、まだまだ綱渡りの日々が続きます。(岡崎杏里 ライター)
登場人物の紹介は こちら
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