文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

大人の健康を考える「大人び」

コラム

「健口」で健康(1)日本人の口臭 外国人がっかり

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 このシリーズでは、予防歯科学が専門の大阪大歯学部教授、天野敦雄さんに聞きます。(聞き手・佐々木栄)

「健口」で健康(1)日本人の口臭 外国人がっかり

 「新しく御社の担当になりました。よろしくお願いします」

 元気いっぱいのあいさつをする営業マンと名刺交換に臨んだ瞬間、プワーンと鼻をつく激しい衝撃に見舞われた。きつい口臭に脳天を撃ち抜かれそうだ。「いかん!」。のけぞりそうになる自分を何とか押しとどめたものの、本音は一刻も早く逃げ出したい。悠長にあいさつなんかしていたら我が身が危うい……。

 こんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。悪臭の原因は、歯周病菌が作り出す「メチルメルカプタン」という物質。実は、その毒性は青酸ガスにも匹敵します。毒物に接しているのですから、本能的に逃げ出そうとするのも無理ありません。

 東京五輪・パラリンピックを前に、ある民間団体が在日外国人にアンケートしたところ、7割の人が日本人の口臭にがっかりした経験がありました。日本人に「 口腔こうくう ケアを徹底してほしい」と思う人も7割に上りました。どうやら、口の健康に対する日本人の意識は国際標準以下のようです。

 政府による今年の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)には、「歯科口腔保健の充実に取り組む」と明記されています。口の健康と全身の健康は一心同体。その意義を国が強く認識している証しです。

 重視される理由は二つあります。食べることは生きること、口からしっかり栄養を取ることが健康長寿の 秘訣ひけつ であること。もう一つは、歯周病があらゆる病気に関連している点です。連載では、口の健康、すなわち“健口”にまつわる様々な話題を紹介していきます。

【略歴】
 天野 敦雄(あまの あつお)
 大阪大学歯学部教授。高知市出身。1984年、大阪大学歯学部卒業。ニューヨーク州立大学歯学部博士研究員、大阪大学歯学部付属病院講師などを経て、2000年、同大学教授。15年から今年3月まで歯学部長を務めた。専門は予防歯科学。市民向けの講演や執筆も多く、軽妙な語り口・文体が好評を得ている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

otonabi_logo_200

大人の健康を考える「大人び」
大人に特有の体の悩みに応えるコーナーです。各テーマの専門家がアドバイスします。

大人の健康を考える「大人び」の一覧を見る

最新記事