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身近な病気 顎関節症…あごへの負担減らす

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 あごを動かしたときに痛みを感じる「 がく 関節症」は、日本人の2人に1人が経験するという身近な病気だ。適切なケアを行えば、多くの場合、改善され、日常生活に支障が出ることもない。(冬木晶)

 口を開けた際、あごの関節やほお、こめかみの筋肉が痛むほか、「カクン」と音がしたり、口が大きく開かなくなったりする。首、肩の凝りや頭痛、耳が詰まった感じ、目の疲れなどを伴う人もいる。人さし指と中指、薬指の3本を縦にして口に入れるのが痛くて難しい場合は、顎関節症が疑われる。

 筋肉痛から発症

 顎関節症は、歯ぎしりをしたり、硬い食べ物を強くかんだりして、あごを動かす筋肉が疲れて筋肉痛を起こすことで発症すると考えられている。

 歯ぎしりなど、あごに強い力が加わること自体が発症の要因となることもある。

 あごは、下あごの骨の突き出た部分「 下顎頭かがくとう 」が、頭骨のくぼみに収まっている。骨と骨の間には、クッションの役割をする「関節円板」というコラーゲン線維がある。強くかんだり、口を大きく開けたりすると、前にずれてしまうことがある。この状態で下顎頭から力が加わると、炎症を起こして痛みが生じる。

 通常、口を開けば、下顎頭がくぼみから抜けて前方に移動する。関節円板がずれたままだと、下顎頭が関節円板にひっかかり、抜ける際に「カクン」と音が鳴る。

 筋肉の痛みをとるには、ほおなどを蒸しタオルで温めたり、風呂で10分程度マッサージをしたりして筋肉の血行を良くする。歯ぎしりを防ぐ歯科用マウスピースを就寝時につける方法もあり、公的医療保険が使える。口が大きく開かない人は、上下の前歯に指をかけて口を広げるストレッチ(1セット10~20回)を1日2、3セット繰り返す。

 患者の多くは、食事や会話以外のときも上下の歯を無意識に触れ合わせて、あごに負担をかけてしまっている。普段から「上下の歯は離す」ことを意識する。

 あごへの負担を減らすケアを続ければ、早い人なら2週間から1か月ほどで改善が見込める。前にずれた関節円板は戻らないが、元々あった場所には再び、関節円板と同様の組織が形成される。

 仕事や受験、人間関係、長時間のパソコン作業など、ストレスや緊張が続くと、夜間に歯ぎしりをすることなどの原因になるとされる。日頃から、なるべくリラックスし、ストレスを減らすように心がける。

 生活習慣を見直す

 ほおづえやうつぶせ寝など、あごに負担がかかる生活習慣を見直すことも大切だ。食事の際、左右どちらかの歯に偏ってかむことも良くない。硬い氷をガリガリとかじるのも避けたい。

 子どもの頃から、食事の際は左右の歯でバランス良くかむようにし、あごの筋肉を鍛えることなども予防につながる。

 大阪大歯学研究科教授の矢谷博文さんは、「マッサージやストレッチなど、自宅でできることも多く、『自分も取り組む』という姿勢が大事だ。治療を受ける際は、日本顎関節学会が認定する専門医がいる医療機関を受診してほしい」と話している。

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