ミュージシャン DJ KOOさん
一病息災
[ミュージシャン DJ KOOさん]脳動脈瘤(1)10ミリ近いこぶ 視神経圧迫
自分を過信していた。お酒は体質に合わず、たばこも吸わない。大きな病気の経験はなく、体調不良もほとんど感じなかった。
1980年代から都内のクラブやディスコでDJとして活動し、90年代以降は音楽ユニット「TRF」のメンバーとして小室哲哉さんの曲で大ヒットを連発。近年は親しみやすいキャラクターが受け、タレントとしても人気になっていた。
不規則な生活は当たり前で、疲れていても、仕事ができるなら大丈夫――。
ところが2017年、テレビのバラエティー番組で人間ドックを受けたところ、MRI(磁気共鳴画像)で脳血管の一部に、こぶのように膨らんだ部分が発見された。直径9・8ミリの脳動脈 瘤 で、すでに視神経が圧迫されていた。
こぶが破裂し、くも膜下出血を発症すると、命を落としたり、重い障害が残ったりする危険がある。
日本脳神経外科学会によると、こぶの大きさが直径7~9ミリでは1・69%、10ミリ以上になると4・37%が1年で破裂する。
検査の結果を見ると、くも膜下出血の危険と隣り合わせの状態だった。
番組収録後、医師から説明を受けている間、フワフワと体が宙に浮いているような不安に襲われた。
「自分がこの世からいなくなるかもしれない……。初めてそう考えました」
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ミュージシャン DJ KOO さん(58)
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