医療大全
医療大全
うつ病からの回復(2)美術療法 制作に没頭
東京・上野にある昭和初期に建てられたレトロなビルの地下1階。様々な世代の男女が用意された革の端切れにクレヨンで、落ち葉や焼き芋、柿などの絵を描いていた。毎週水曜日、うつ病治療のプログラムとして、心療内科「上野の森クリニック」の待合室で開かれている「ミニ美術」教室だ。この日のテーマは「秋をイメージするもの」。患者らは診察の待ち時間や診察後、好きな時間に好きなだけ、描画にいそしむ。
2012年、医師の渡辺克雄さんが「制作に取り組むことで、患者特有の不安な気持ちが和らぐのでは」と美術療法を始めた。
当初は決まった時間に始め、2時間かけて制作に取り組み、終わった後に作品の鑑賞会を開いていた。
だが、他の作品と比較されるストレスからか、途中で退席したり、参加が続かなかったりする患者が少なくなかった。
この記事は読者会員限定です。
読売新聞の購読者は、読者会員登録(無料)をしていただくと閲覧できます。
【関連記事】