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大人の健康を考える「大人び」

コラム

不眠症(11)怒り「6秒待つ」でやり過ごす

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  このシリーズでは、日本睡眠学会認定医で、上島医院(大阪府大阪狭山市)院長の渥美正彦さんに聞きました。(聞き手・古川恭一)

不眠症(11)怒り「6秒待つ」でやり過ごす

 私は、視野の中央がゆがむ目の病気「黄斑変性症」を患っています。総合病院などに勤務していた20代~30代前半、目が見える間にキャリアを精いっぱい積もうと、朝から夜中まで懸命に働きました。その分、他人の仕事がいいかげんだと許せず、周囲の人に怒り、よく衝突しました。このことが病院をやめる一因にもなりました。

 間もなく視力が急に悪化したことで、自分の弱さを受け入れ、怒りを取り扱う技術「アンガーマネジメント」を実践するようになりました。怒らないことではなく、怒りで後悔しない技術です。

 「怒ってもいいが6秒待つ」。これが第一歩。「譲れない価値観を持ち、気分でなくルールで怒る」という次の段階もありますが、理性の反応時間といわれる6秒間我慢するだけでも有効です。その間、怒りの度合いを10点満点で自己評価します。無理に低く評価すると、怒りを抑えてため込むことにつながるので逆効果でしょう。

 人の心はコップに似ています。不安や寂しさなどをコップにため込むように重ね、あふれるように変調をきたす場合があり、強すぎる怒りや不眠症もその一部と考えてよいでしょう。眠れない患者さんに「心に何をためてるの?」と聞くと、「寂しい」「怒っている」などの答えが多く返ってきます。心の中身を吐露すると、コップの水は少し減るでしょう。

 怒りは不眠の原因になり、不眠は怒りを強めます。「6秒」が不眠の悪循環を断ってくれるかもしれません。(おわり)

【略歴】
 渥美 正彦(あつみ まさひこ)
大阪市立大学医学部卒業。大阪警察病院、国立病院機構やまと精神医療センター 、近畿大学医学部付属病院神経内科などを経て、2004年6月から上島医院。 05年に同医院併設南大阪睡眠医療センター長。10年から同医院院長。

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