ウェルネスとーく
医療・健康・介護のコラム
[女優 シルビア・グラブさん](上)歌って演じる舞台の楽しさ 「子どもの頃はシャイで人見知り」
抜群の歌唱力と存在感で、ミュージカルからせりふ劇まで幅広い舞台に引っ張りだこの女優シルビア・グラブさん。年齢とともに感じつつある体の変化や健康への考え方、夫である俳優・高嶋政宏さんのこと、舞台に立ち続ける熱い思いやこれからについて、語ってくれました。(聞き手・田村良彦、撮影・小倉和徳)
公演続きも「毎日元気!」
――昨年の後半くらいから、舞台公演が続いてとてもお忙しそうですね。
そうですね。いったい今がいつの季節かわからないくらい、劇場だとかお稽古のスタジオの中にいて、この1年間、外の空気をあまり吸っていないかもしれません(笑)。
――コンディションを維持するのが大変なのでは?
若い頃なら勢いでやっていけたのが、ちょっと風邪を引いたら治りが遅くなってしまうとか、そろそろ心配な年齢でもあるんですけど。だからと言って、すごく気にしているわけでもないんです。「鼻がむずむずしちゃう」とか「ちょっとのどが痛いかなあ」なんて敏感になりすぎると、それがストレスになってしまうので。毎日、「私は元気です!」って、自分自身に思い込ませているのがいいのかもしれませんね。実際、おかげさまで、これまで大きな病気をしたことは一度もありません。
常に新しい刺激を受けて
――改めて、舞台の魅力について聞かせてください。
何より、お客様の反応を、生で直接聞くことができるというのが、私が舞台にはまっている一番の理由です。実は子どもの頃の私は、シャイで、人見知りで、引っ込み思案だったんです。ただ、歌を歌うとか、何かになりきると、人前に立つことができたんですね。
だから舞台というのは、私が堂々と立っていられる場所であるし、いろんな新しい役柄に挑戦して何かになりきるというのは、私にとって、子どもの頃のおままごとの延長線の部分もちょっとあるかな。自分の中の妄想の世界を仕事として演じられるというのは、ある意味とてもぜいたくなことで、好きなことを仕事にできているので楽しくてしようがないです。
当然、お芝居を作り上げていく、新しいものを生み出さなければならない過程では、つらいことはたくさんあります。たとえば、ダンスの場面では体に覚え込ませるまで毎日踊り込むとか、身体的にもつらいですけど。本番の舞台で、お客様の前に立って最後に拍手をいただいた時の快感といったら、これ以上のうれしさはないですね。
――大勢の役者さんやスタッフさんと共に作品をつくり上げていく楽しさも、SNSなどの内容から伝わってきます。
11月の公演で今年6本目の舞台になりますけど、同じ役者さんと別のお芝居で再び共演することもありますし、一方で、公演が終わると、一緒に舞台をやってきた仲間と別れなければならない寂しさもありますね。せっかくいいチームワークを作り上げたのに、次に進むためにはお別れをしなければならない 儚 さもあります。
ただ、新しいものに挑戦していくことは、とても新鮮で刺激的です。若い役者さんたちや大先輩との新しい出会いもありますし、常に刺激を受けてやっていることの楽しさは大きいです。
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