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田村専門委員の「まるごと医療」

医療・健康・介護のコラム

死の病ではなくなったエイズ 差別・偏見の解消へ「性の多様性受け入れる社会を」

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予防の基本はコンドーム

 HIVの感染予防の第一は、コンドームの使用だ。とは言っても、100%のコンドームの使用は難しい面があるが、たとえHIVに感染していても、きちんと薬物治療を受けていれば、パートナーへの感染も防ぐことができるという。適切な治療を受けていることが、他への感染予防にもなる。

 日本では予防薬として承認された薬はないが、HIVに未感染のハイリスクの人に対する暴露前予防内服(PrEP=プレップ)も登場している。

自分の事として

 12月1日は世界エイズデー。今回の記者会見は11月27~29日に熊本市で開かれる第33回日本エイズ学会学術集会・総会を前に開かれた。

 エイズとの闘いは30年余りにわたる。支援者からは、「最近はエイズへの社会の関心が以前ほどではなくなったのではないか」「薬害エイズが和解して一段落したことで、エイズの問題そのものが終わったと勘違いされていないだろうか」との声も耳にする。

 治療法がなく不治の病と恐れられた病気も、原因が解明されて適切な治療でコントロールできるようになった。しかし、発症や感染がコントロール可能になったにもかかわらず、差別や偏見は依然強い。むしろ、治療薬があるにもかかわらず差別や偏見が残る現状の方が、問題は大きい。

同性愛者への偏見から「他人事」

 差別や偏見がなくならない背景には、同性愛者に対する偏見とない交ぜになった、エイズを ()()(ごと) としてとらえる風潮がある。

 「性感染症と多様性を受け入れる社会のあり方は密接に関連している。性感染症の予防には、性の多様性を受け入れる社会が求められている」。松下さんは会見で強く訴えた。

(田村良彦 読売新聞専門委員)

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田村 良彦(たむら・よしひこ)

 読売新聞東京本社メディア局専門委員。1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。97年から編集局医療情報室(現・医療部)で連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。西部本社社会部次長兼編集委員、東京本社編集委員(医療部)などを経て2019年6月から現職。

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