ごぼう先生のイス健康体操2.0
医療・健康・介護のコラム
健康長寿につなげる有効なスポーツテストとは?
介護の「ご」、予防の「ぼう」で、ごぼう先生と申します。
先日、とある県が主催するイベントにゲストとして声をかけていただきました。
「健康長寿フェスティバル」と題したイベントで、地元名産の食事を楽しめたり、ハンドメイドのアクセサリーの露店が並んだりと、老若男女が楽しめるフェスティバルでした。
健康長寿に関する県の取り組みや、企業のブースなども出店されていて、その横に、スポーツテストを体験できるコーナーがありました。
子供から70歳くらいの方々が参加していました。
ふだんは介護の仕事を通じて、シニアの方々に測定をお勧めする側として活動しているので、私自身も「たまには測定してみよう」と、受け付けを済ませて、四つのテストを受けてみました。
「立ち幅とび」、「反復横とび」、「握力」、「上体起こし」です。
高校時代以来の測定に、青春時代を思い出して無理をして張り切ってしまい、その日から3日間、筋肉痛が続きました。
さて、スポーツテストに参加してみて気づいた二つのこと。
この記事を読んでいただいている皆様と、一緒に考えることができたら幸いです。
一つは、判定の基準のこと。そしてもう一つは、テストの内容です。
1.判定の基準について
今回のイベントには、一つの基準が掲示されていました。
この基準は、現行のスポーツ庁の基準(新体力テスト実施要項12歳~19歳対象)より過去の基準値のまま使用されていました。
この基準値では、小学生の低学年、そして、一般の高齢者の多くの方が「1点」という結果になってしまいます。
テストで「1点」という結果は、自信を無くしてしまうことにもつながります。
スポーツ庁のホームページには、(6歳~11歳対象)(12歳~19歳対象)(20歳~64歳対象)(65歳~79歳対象)の四つの分類で、現行基準の判定(点数)が掲載されています。
イベントに参加した方々が、「今の筋力や体力を知るキッカケ」が重要です。
一つの判定基準ではなく、世代別に多様な基準を掲載することが必要だと感じました。
2.テストの内容
70歳くらいの方が、「反復横とび」に挑戦されていました。
何度もよろける姿を見て、遠くから見ていても、支える手を伸ばしたくなるほどでした。
スタッフが途中で止めていてホッとしましたが、危うく測定によって転倒するところでした。
また、上体起こしに関しては、30秒の間、腹筋を繰り返すことになります。
年齢を重ねるほど、身体機能にも個人差が開きやすいので一概には言えませんが、シニアでも、もう少し気楽に測定できるテストがあったほうがよかったと強く感じました。
例えば、下記のようなテストです。
- 開眼片足立ち
目を開けたまま何秒間、片足立ちで立っていられるかを測定します。
最大120秒とし、2回測定したうち良い方を記録とします。 - ファンクショナルリーチ
直立姿勢で両腕を肩の高さ(90度)まで挙げた状態から、バランスを崩さずに上体を前傾します。スタート時点からの指先の距離を測定します。
公益財団法人 長寿科学振興財団「健康長寿ネット」に分かりやすく掲載しています。
老若男女の参加を促す健康長寿フェスティバルだからこそ、体力や筋力に自信がある方だけを対象にするのではなく、ふだん運動不足を感じている方々が、どのようにスポーツテストに参加してくださるのか。「やってみよう!」とチャレンジする背中を押す「優しさ」がイベントに必要だと実感しました。
どの世代にも優しく、主催者も、サポーターも、参加者も、お互いに気持ちが良い取り組みを願いたいです。
それでは、皆様、お達者で。
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