40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる
医療・健康・介護のコラム
「運動すると得する保険」登場 健康寿命も延ばせる?
保険という言葉を聞いて、「難しそう」と敬遠する人は多いものです。けれども、保険といえども、家電品のように時代のニーズを盛り込んだ「商品」なんです。そんな視点で保険を眺めてみると、面白いですよ。
健康増進への「プロセス」を評価する
昨年、住友生命が発売したのが、健康増進型保険「住友生命『Vitality』」です。「Vitality」とは、1997年に南アフリカで誕生した健康増進プログラムのことで、2019年6月現在、21の国・地域の1130万人が加入しているそうです。下記のように行動経済学を応用しながら、健康を増進するための取り組みを支えます。
私が「新しいな」と感じたのは、健康増進への取り組みという「プロセス」を評価基準として保険料割引をしている点です。これまでも、健康体であれば保険料を割引するといった商品はありました。ただし、フォーカスしているのは、あくまで結果でした。その点、この商品は、プロセスそのものに価値があるとしてポイントを付与、それが保険料割引などに 繋 がる点が面白いですね。
住友生命「Vitality健康プログラム」の例
Vitality健康プログラムの利用料は、月額880円(税込み)で、保険料とは別に支払います。ただし、プログラム利用者の契約1年目の保険料は15%割引になるので、多くの場合、利用しないときの保険料よりも安くなります。2年目以降は、健康への取り組みに合わせてポイントが付与され、累計ポイントで保険料が変わっていきます。
全く違った業種の企業を巻き込んでいくビジネスモデルも新しいと感じました。たとえば、この保険に加入していることで、アディダス製品が安く買えたり、スポーツクラブを特別価格で利用することができます。こうした特典は、「運動を始めようとは思っているけど、始められない」という人の背中を押すキッカケになるかもしれません。
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