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【意思決定】家族の「葛藤」(4)「中ぶらりん」父が気弱に

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【意思決定】家族の「葛藤」(4)「中ぶらりん」父が気弱に

父の診察に付き添うカヨさん(左)。「元気になってほしい」と話す=前田尚紀撮影

 関西地方のカヨさん(54)は、胸部のがんを患った父(80)の変わりように戸惑った。強く、頑固で、家長として振る舞ってきた「昭和の男」が、急に気弱になり、衰えていった。

 15歳で大工になった父は、庶民の家をたくさん建てた。小柄だが筋肉質で、屋根の上を跳ねるように動く姿を覚えている。妻と2人の娘を「腕一本」で養った。70歳を過ぎても近所の家の修理をした。自他共に認める「病気知らず」。この数年は早朝から畑に出て、野菜づくりを楽しんだ。

 今年3月、長引くせきが気になった父は、地元のクリニックを受診した。エックス線検査で胸部に影が見つかり、精密検査のために大学病院を紹介された。両親は2人暮らし。カヨさんは車で30分かけて実家に通い、受診に付き添った。

 初めて入院し、気管支鏡などの検査に耐えた。担当医の診断は、左右の肺の間の空間にできた「 縦隔じゅうかく 腫瘍」と、肺が線維化して働かなくなる「間質性肺炎」の疑い。開胸して患部の病変をとらないと確定診断には至らないが、年齢と体の負担を考え、見送った。

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