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思春期の子どもを持つあなたに 関谷秀子

医療・健康・介護のコラム

第10部 発達障害(下)子どもがわがままを爆発させても、腫れ物に触るようでは解決しない。両親の言葉と行動で示すべきこと

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勉強に口出しする両親には、毅然と「自分のペースでやるから」と

 さて、中学3年の夏休みが過ぎ、高校進学の問題が迫ってきました。A君の学校は中高一貫教育です。とはいえ、内部進学には、成績や素行などで一定の水準が求められます。

 両親に対する行動は改善の兆しは見えてきたものの、相変わらず勉強はまったくしないで、両親がいくら言ってもゲームばかりやっている日常は変わりませんでした。引き続き、学校での授業態度もかなり悪い様子です。

 内部進学は難しいと考えた父親は、「ここなら合格できそうだから、D高校のオープンキャンパスに行きなさい」と伝えたそうです。

 どうやら、A君の父親はいろいろ先走りしすぎる印象です。

 そこで私は、「本人が現状を判断して、決めることが大切。そのためには、担任の先生から、現在の出席日数や成績などについてA君に直接説明してもらったほうがよいだろう」と助言しました。

 結果的に、A君はD高校のオープンキャンパスには行きませんでした。それに落胆した両親は、またお互いの責任を指摘し合うようになりました。

 ここでも私は、「A君自身が考えて、行動するしかない」と伝えました。

 その後、担任からは「今の成績や態度では内部進学が難しいこと」が本人に伝えられましたが、それに対して、A君は意外なほど冷静な反応を示しました。

 「自分には、行きたい大学の学部がある。そのためには親の勧めたD高校よりも、内部進学をしたほうがいいことがわかった」

 自分で大学やD高校についての情報を集めていたことがわかりました。

 A君の希望で両親が家庭教師をつけると、家庭教師が来ている時間は、A君は熱心に勉強し、夜遅くまでゲームをすることもなくなりました。

 両親が勉強に口出ししようとすると、「自分のペースでやるから、放っておいてくれ」と毅然と言いました。言うまでもなく、A君は学校からのすべての条件をクリアし、希望通りに内部進学を果たしました。

 高校生になると、学校には遅刻せずに通い、家での暴言暴力は全くなくなりました。友達とは、映画やカラオケに行ったりしているそうです。バレンタインデーには女の子にチョコレートをもらったり、ホワイトデーにお返しをしたりと、普通の高校生の生活を楽しんでいるようです。

 「発達障害」と診断された子どもに問題行動が表れると、「解決は困難である」と判断されてしまうことがしばしばあります。

 しかし、問題行動が発達障害そのものの症状ではない場合もあります。

 家庭の不和などが、思春期の発達課題を乗り越えるための障害となる場合も少なくありません。

 これらすべてを、数分の診察や心理テストだけで判断することは因難です。発達路線に戻る道を探るためには、ご本人やご両親から十分に話を聞くことが必要となります。(関谷秀子 精神科医)

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shisyunki-prof200

せきや・ひでこ
精神科医、子どものこころ専門医。法政大学現代福祉学部教授。初台クリニック(東京・渋谷区)医師。前関東中央病院精神科部長。

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2件 のコメント

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理解=迎合ではない

himawari

小学校の支援員です。数ヶ月前から関わっている児童に対する学校側の支援方法に疑問を持ち続け悶々とした日々を送っています。 学校からは特性を理解し仲...

小学校の支援員です。数ヶ月前から関わっている児童に対する学校側の支援方法に疑問を持ち続け悶々とした日々を送っています。
学校からは特性を理解し仲良くなってほしい、指導は要らない、見守るだけでいいと言われその通りにしていると程なく支援員に対する暴言・暴力が表れ始め、エスカレートしていきました。
児童の特性を考えると迎合は何も生まないどころか児童の発達を妨げるのではないかと感じています。
日々の対応に困り、連日似たケースがないかとネットを頼りに探していました。
そして今日ようやく、特性がよく似ている事例に出会うことができました。
「腫れ物に触るようでは解決しない」「必要なのは迎合ではなく、年齢相応の対応」、これだ!と思いました。どんなに嫌がれても、拒否されても、悪態つかれてもブレてはいけないと改めて感じさせられました。
困難を抱えている子の数だけケアの仕方もあるのだと思います。だからこそ実際の事例はとても参考になります。
この記事に出会えて本当に気持ちが軽くなりました。感謝を伝えたく投稿します。どうもありがとうございました。

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両親そろってない場合は

五月

興味深く拝読しています。 コラムは、毎回、父親・母親、両方そろっている「親ガイダンス」、結果、ハッピーエンドで終わり、のパターンのようですが、 ...

興味深く拝読しています。
コラムは、毎回、父親・母親、両方そろっている「親ガイダンス」、結果、ハッピーエンドで終わり、のパターンのようですが、
何らかの事情で片親だけの場合は、救いようがなく、そもそも親ガイダンスすら成立しないのでしょうか。コラムを読んでいると、結局、チャンピオンケースを取り上げているだけのようで、医療者側が患者を選んでいる感じがします。
患者の背景はもっと様々なのですが。

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