1歳児 睾丸片方が小さい
健診で、1歳2か月の息子の左の 睾丸 に異常があるとわかりました。入浴時は二つありますが、朝には右側しかない時があり、左の方が小さいです。手術には抵抗があります。(49歳男性)
手術で精巣固定が確実
中井 秀郎 自治医大とちぎ子ども医療センター小児泌尿器科教授(栃木県下野市)
医学用語で、睾丸を精巣と呼びます。精巣が、陰のうという袋にうまく収まらない「停留精巣」という生まれつきの病気があります。
100人に1人ほどの頻度で起きます。片方だけの場合と両方ともの場合があり、精巣のサイズも通常より小さいことがあります。
陰のうの中は、体温より、やや低い温度に保たれます。停留精巣では、精巣が、腹部やそけい部にとどまり、通常より高い温度にさらされ続け、将来的に精子を造る能力に悪影響が出ます。軽症だと、入浴時などに一時的に陰のうまで降りてくることもあります。
生後6か月頃までは、精巣が自然と袋の中に収まるのを期待して様子を見ます。変化がなければ、全身麻酔をした上で、精巣を陰のうの中に固定する手術を行います。1歳の間に行うのが、最も安全で確実です。現在、手術以外の確実な治療方法はありません。
子どもの手術に習熟した泌尿器科医や小児外科医、麻酔科医の存在が重要です。手術は通常、そけい部か陰のうを1~2センチほど切って行います。腹部の深い場所に精巣があるなら、 腹腔 鏡を使います。1時間ほどで終わり、翌日までには退院できることがほとんどです。
質問者のお子さんは、「停留精巣」の可能性が高く、手術を受ける意義は大きいと考えられます。