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薬剤耐性菌 発生防ぐには…抗菌薬 必ず飲みきる

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 抗菌薬(抗生物質)は、結核や肺炎などを患った時に使われる身近な薬だ。だが、ウイルスが原因の病気の時に飲むなど、誤った使い方をすると、薬が効かなくなってしまう。不適切な飲み方をする人が多く、問題となっている。(辻田秀樹)

薬剤耐性菌 発生防ぐには…抗菌薬 必ず飲みきる

 兵庫県の主婦(41)は数年前、長男(5)が風邪をひいた時、かかりつけ医から抗菌薬を処方された。だが、飲ませて数日たっても回復しなかった。インターネットで調べると、こんな記述を見つけた。

  風邪ウイルス主因

 「風邪に抗菌薬は効かず、『薬剤耐性菌』ができることがある」

 薬剤耐性菌とは、体の中の細菌が、抗菌薬を飲んでも死滅しないように変化したものだ。

 風邪の原因は、ウイルスであることが多い。抗菌薬を飲んでも風邪は治らないばかりか、もともと体内で必要な働きをする細菌を殺してしまう。

 生き残った一部の細菌は、抗菌薬が効かないように変化する。そして、何らかの理由で、体の別の場所に入って病気を引き起こした場合、抗菌薬を飲んでも治らなくなる。

 薬剤耐性菌は他人にも、うつる。広まると、抗菌薬が欠かせない手術や術後の管理ができなくなる。最近は、生まれたばかりの赤ちゃんから薬剤耐性菌が見つかることもある。胎内は無菌だが、出産時に母親から感染するとみられる。

 国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)AMR臨床リファレンスセンターは今年8月、688人を対象に抗菌薬に関するアンケートをインターネットで実施。「抗菌薬が風邪に効果がある」と誤解していた人は、4割を超えた。「直近、風邪をひいた時にもらった薬は?」(複数回答)という質問には、5割以上の人が抗菌薬を挙げ、せき止めや解熱剤に次いで多かった。

 薬剤耐性菌は、抗菌薬の服用を途中でやめてしまったり、以前に処方された飲み残しを自己判断で飲んだりした場合もできることがある。このため、適切に処方された抗菌薬は必ず飲みきる。家族など、ほかの人に余った分を譲ることもしてはいけない。

 同センター情報・教育支援室長の 具芳明ぐよしあき さんは「抗菌薬には、下痢や発疹といった副作用もある。不適切に使うのは危険で、絶対にやめてほしい」と強調する。

  不適切処方も多く

 世界保健機関(WHO)は、薬剤耐性菌の問題が深刻だとして2015年、各国に削減に向けた行動計画を策定するよう求めた。

 日本は16年、抗菌薬の使用量を20年までに、13年と比べて3分の1減らす目標を立てた。日本感染症学会なども抗菌薬の適正使用を求める提言を出している。

 その結果、少しずつ使われる量は減ってきている。だが、17年時点で7・3%減にとどまる。患者に求められて必要のない抗菌薬を処方したり、きちんと検査せずに抗菌薬を出したりしている医師が少なくないとみられる。

 同学会理事長の舘田一博さん(東邦大教授)は、「今のところ、目標達成は難しいが、数値目標ばかりを追いかける必要はない。抗菌薬を適切に使うよう、さらに啓発を進めたい」と話している。

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