鼻血 治療後も止まらない
40歳の長男が、3週間ほど鼻血が止まらず困っています。耳鼻科では、キーゼルバッハという場所からの出血とされ、レーザー治療を受けました。その後、さらに奥にある動脈からの出血とわかり、再度、治療しました。抜本的な治療法はありますか。 (68歳男性)
ガーゼ類でまず内部圧迫…
井之口 豪 神戸大耳鼻咽喉科・ 頭頸 部外科講師(神戸市中央区)
鼻血の多くはキーゼルバッハと呼ばれる鼻の前方からの出血です。原因は、慢性的な鼻炎などに加え、風邪による粘膜の炎症や高血圧もあります。
軽い場合は、鼻の膨らみ( 鼻翼 )を圧迫したり、出血している場所をレーザーで焼いたりすることで、止血できることが多いです。ただ、どこから出血しているかがわかりにくい場合は、治療に難渋することがあります。
その場合は、鼻の中に、止血用のガーゼやスポンジを入れて圧迫します。それでも出血が続くなら、鼻の穴から内視鏡を入れ、血管を電気メスなどで焼いて止血する手術や、太ももの血管から細い管(カテーテル)を通してスポンジ状の物質で血管をふさぐ手術などで対処します。
ごくまれに、鼻の良性腫瘍やがん、動脈 瘤 などが原因になっていることもあります。必要に応じて内視鏡やコンピューター断層撮影法(CT)検査なども行います。
鼻の奥にある 蝶口蓋 動脈や 下行口蓋 動脈などからの出血ならば、こうした手術で止血できることが多いです。手術の種類やタイミングは、出血の量や回数、鼻の形なども影響します。各医療機関によって考えも多少異なるため、まずは、担当医に改めてよく相談してみましょう。