娘の「わきが」が気になる
11歳の娘が昨秋頃から、わきに汗をかくと臭うようになりました。本人は気づかないようです。わきに薄く毛が生えてきて、処理するかどうかも迷います。市販のわきが止めクリームを塗ってよいですか。(48歳女性)
対症療法で症状緩和を
馬場直子 神奈川県立こども医療センター皮膚科部長 (横浜市南区)
汗を分泌する器官・汗腺は、エクリン腺とアポクリン腺があります。エクリン腺は全身の皮膚に分布し、体温調節や水分調節をしています。
一方、アポクリン腺は、わきの下や乳頭の周り、外陰部、耳の穴など特定の部位にあります。幼少時は、あまり発達しておらず、ほとんど分泌されません。思春期が近づき血液中の性ホルモンの量が増えると、分泌量が増えます。脂肪を多く含む、やや粘り気のある汗です。
それが、皮膚の表面にある細菌によって分解され、強い臭いを放つようになります。いわゆる「わきが」です。分泌される脂肪の量が多いほど、脂肪を分解する細菌の量が多いほど、時間がたつほど、臭いが強くなります。
わきがは体質や人種と関係があります。日本人には比較的少なく、欧米人には多くみられます。
体質は変えられません。悩む人には、症状を緩和する対症療法が行われます。汗をかいたら、わきの下をぬれたおしぼりで拭くか、シャワーで流しましょう。制汗剤もある程度効果があります。臭いを招く細菌は毛にも存在するので、わき毛をそるのもよいでしょう。大人になれば、レーザー治療やボトックス注射など原因を取り除く治療もありますが、中学生以下では、対症療法をお勧めします。