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森本昌宏「痛みの医学事典」

医療・健康・介護のコラム

顔を洗って腰を伸ばした瞬間に…「ぎっくり腰」 腰椎椎間関節症なら一度の薬液注入で完治も

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ぎっくり首、ぎっくり肩甲骨も

 ところで、この椎間関節症は首( 頸椎(けいつい) )にも起きる。私は、寝違いによる首の痛みを“ぎっくり首”、肩甲骨内側の痛みを“ぎっくり肩甲骨”と呼ぶようにしているが、「うーんなるほど、適切なネーミングだ」と自賛している。

 さて、椎間関節症が疑われる場合、ペインクリニックでは椎間関節ブロック(レントゲンを見ながら関節内に局所麻酔薬を注入)を行っているが、薬液注入時に痛みが再現することが診断の決め手となり、その一度のブロックで完治することも (まれ) ではない。そのことから、診断と治療を兼ね備えたブロックといえる。最近では、薬液ではなく、高周波で熱凝固する方法も行っている。

 ブロックによっても一時的な効果しか得られない場合は、椎間関節を支配している「脊髄神経 後枝内側枝(こうしないそくし) 」という部分のブロック(これも高周波による熱凝固)を併用する。

 腰痛は本当につらい。余談ではあるが、腰に対する感覚は日本語と英語では異なることを紹介しておこう。通常、腰を指す英語は「waist」(腰のくびれ)だが、腰痛は「waistache」ではなく、「backache」(背中の痛み)である。この英語表現は正しい。なぜなら、一般に腰痛とは、ウエストのみの痛みを指すのではなく、「back」(背中)の下部から「hip」( 臀部(でんぶ) )までの痛みを総称することが多いからだ。ダンスで腰を振る様を「swing one’s hips」と表現することも、腰に対する思い入れが日欧(米)で異なることを教えてくれる。(森本昌宏 麻酔科医)

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森本 昌宏(もりもと・まさひろ)

 大阪なんばクリニック本部長・痛みの治療センター長。
 1989年、大阪医科大学大学院修了。医学博士。同大学講師などを経て、2010年、近畿大学医学部麻酔科教授。19年4月から現職。日本ペインクリニック学会専門医、名誉会員。日本東洋医学会指導医。著書に『ペインクリニックと東洋医学』『痛いところに手が届く本』ほか多数。現在、大阪市北区の祐斎堂森本クリニックでも診療中。

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