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大人の健康を考える「大人び」

コラム

不眠症(10)服薬「いつかやめる」念頭に

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 このシリーズでは、日本睡眠学会認定医で、上島医院(大阪府大阪狭山市)院長の渥美正彦さんに聞きます。(聞き手・古川恭一)

不眠症(10)服薬「いつかやめる」念頭に

 不眠症の中には、「オレキシン」という脳内の覚醒物質が、夜も減らないために発症する例があることが最近わかってきました。

 前回触れた新タイプの睡眠薬は、オレキシンの働きを弱めて眠りに導く薬で、従来の睡眠薬(ベンゾジアゼピン受容体作動薬)と違って、ふらつきや依存などの副作用が少ない利点があります。強いて欠点を挙げれば、朝に眠気が残りやすく、夢を見やすいことくらいです。ただし、眠りに強く引き込む薬ではないため、服用時間の調節が必要なことがあります。

 筋肉の 弛緩しかん 作用がなく、睡眠中に呼吸が一時的に止まる危険が少ないことも、使いやすい理由です。睡眠時無呼吸症候群で眠れないという50歳代男性に、この新タイプの薬を飲んでもらうことで、不眠症を安全に治療しながら、同症候群の患者向けの治療器具を導入できたケースもあります。

 このように睡眠薬は時に必要ですが、一生飲み続けるものではなく、いずれやめることを見据えるのも大切です。依存性の少ないタイプに切り替えて減らしながら、不眠を克服していきましょう。

 さて、私は「不眠症になるための12の生活習慣」という逆説的な提案もしています。いくつか例を挙げると、▽体内時計を狂わせるため朝日を浴びず、朝食を食べない▽眠りを浅くするお酒やコーヒーを夕方以降に多飲する▽夜に激しい運動をしたり、熱いシャワーを浴びたりして交感神経を刺激する――などです。

 これらの逆を行えば、薬なしでも安眠に近づけるでしょう。

【略歴】
渥美 正彦(あつみ まさひこ)
大阪市立大学医学部卒業。大阪警察病院、国立病院機構やまと精神医療センター、近畿大学医学部付属病院神経内科などを経て、2004年6月から上島医院。05年に同医院併設南大阪睡眠医療センター長。10年から同医院院長。

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