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一病息災

闘病記

[ピアニスト 西川悟平さん]ジストニア(2)懸けてきた人生が・・・

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[ピアニスト 西川悟平さん]ジストニア(2)懸けてきた人生が・・・

 ニューヨークで活動していた2000年頃、演奏中だけ手の指が勝手に内側に曲がるようになった。「インターネットでいろいろと症状を入れて検索しました。そのうち、『ジストニア』の症状と似てるかもと思い始めたんです」

 病院のサイトで「音楽家のジストニア」という記述を見つけ、さっそく検査を受けた。脳からの指令の異常で、意思とは関係なく筋肉が動く運動障害だ。音楽家など特定の動作を繰り返す職業の人で発症しやすいとされる。

 ニューヨークのイーストビレッジを歩いている時、病院から電話を受けた。「局所性ジストニアです。今後、ピアノ演奏はできないでしょう」。「今後、一生ですか」と尋ねると、「お気の毒ですが……」としか返ってこなかった。

 その後、日米5か所の病院で、いずれも「二度とピアノは弾けない」と告げられた。日本では「ジストニアは『症状』であって、病気ではありません」と言う医師もいて、ショックを受けた。

 すべてを懸けてきたピアニスト人生が無になってしまう。強く落ち込んでふさぎ込み、手首を切ろうとしたが、痛みで我に返った。

 そんな折、アメリカで幼稚園の経営者から「子どもたちに音楽を教えないか」と誘われた。最初は簡単な童謡も弾けず、同僚に笑われた。それでも、わずかに動く指で何度も「きらきら星」を練習した。

ピアニスト 西川悟平さん(44)

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