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Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

コラム

睡眠不足「寝だめや昼寝で回復」って本当?…糖尿病リスクはより増大

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 こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。

 私の知人にも寝不足自慢の人が少なからずいます。「最近忙しくてさ、寝る暇もないよ」「たまの休みに爆睡した」……このような寝不足生活でも、昼寝や休日に「寝だめ」をすればスッキリするのだそうです。それで本当に大丈夫なのでしょうか?

睡眠不足は蓄積する

 少し前に「睡眠負債=sleep debt」という言葉が 流行(はや) りました。睡眠科学の分野では長年使われてきた学術用語ですが、皆さんの目には新鮮な言葉として映ったのでしょうね。その後、睡眠負債について多くの方々から質問を受けて気がついたのは、睡眠不足の悪影響が、徐々に積み重なり、「負債」が膨らんでいくことを知らない人が多いということです。

 米国ペンシルベニア大学の研究によれば、1日6時間しか眠らない生活を2週間弱続けると、一晩徹夜したときと同じ程度にまでパフォーマンス(精神機能)が低下することが明らかになっています。しかも、なんと、1日4時間しか眠らない生活の場合は、わずか1週間で徹夜レベルになります。このように、徐々に蓄積する睡眠不足の悪影響を借金に見立て、睡眠負債と表現します。

週末の寝だめで「負債」返せず

 「睡眠負債があっても、週末に寝だめをすれば大丈夫」。そのように考えている人も多いようです。しかし、それは大きな勘違いです。そもそも「寝てためる」という言葉が誤解を招く原因です。まるで、一晩たっぷり眠れば、それまでため込んだ睡眠負債は帳消しになるだけでなく、休養効果が「貯金」できるような印象さえ与えます。しかし、実際には、平日にため込んだ睡眠負債は、週末の1~2日の寝だめでは返済しきれず、再び平日に寝不足を繰り返して借金を重ねてしまうのです。

 睡眠不足時には、体に様々なストレス反応が生じます。ストレスホルモンとして知られているコルチゾール(副腎皮質ホルモン)は、睡眠不足によって血中濃度が増加しますが、週末2日間の寝だめでは正常値にまで戻らないことが明らかになっています。しかも、最近の研究によれば、寝だめは借金返済どころか、むしろ健康に悪影響をもたらすことも分かってきました。

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三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事。著書に『不眠症治療のパラダイムシフト』(編著、医薬ジャーナル社)、『やってはいけない眠り方』(青春新書プレイブックス)、『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』(共著、日経BP社)などがある。

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