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宋美玄のわーままクリニック

妊娠・育児・性の悩み

「不公平」「手続き煩雑」の声に「便乗値上げ」も…幼保無償化は誰のため?

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 10月から消費税が10%に上がって騒がしいなかで、ひっそりと話題になっているのが幼稚園・保育園の無償化です。満3歳以上の子どもなどの保育料が公費から補助されることになりました。低出生率が続き、ついに年間の出生数が100万を切るなか、子育て支援の目玉としてこの制度が決定されましたが、導入前から「無償化よりも保育園に入れない子どもを減らすような政策が先」「保育園に入れた人は費用が補助され、入れない人は何もないから格差が余計に広がる」と異論がありました。

 ちなみに、全て無償化なのではなく、施設の種類によっては補助される額に上限があります。それに、給食費などは補助の対象になりません。また、自治体が独自の減免を設けているため、住むところによっても差があるようです。対象は、幼稚園か認可、認可外などの保育施設に限られ、いずれにも該当しない各種学校の場合は補助を受けられません。

認可外に通う息子 手続きが大変で…

 私の満3歳の息子は、認可外保育施設に通っているため、この制度の対象となります。そこで、区役所に問い合わせて手続きを行うことにしたのですが、聞いてびっくり、とくに認可外の場合、これがとても煩雑なのです。

 両親が働いていて保育が必要であることの証明をしなければいけません。認可保育園に入っていない理由も伝え、無償化に該当すると認定してもらう申請をします。

 また、償還払いとなるため、まず親が保育料を支払い、領収書と請求書を3か月ごとに区役所に郵送しないといけないそうです。今どき紙の領収書と請求書を郵送だなんて、事務手続きが著しく苦手な私は脱落してしまいそうですが、3か月で約10万円と額が大きいので頑張るしかありません。私のように手続きが苦手で 億劫(おっくう) だったり、理解に時間がかかる人のなかには、償還払いにたどり着けない人も相当数いるのではと思いました。

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

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