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【1】ギャンブルの沼 2 「ギャンブル依存」は病気だったの!?

シリーズ「依存症ニッポン」

「ギャンブル依存」は病気だったの!?(中)意思の力では抜け出せない深い沼から

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夫は病気。妻として、治したい。治さなくちゃいけない

 ギャンブル依存を治す薬は存在しない。医師のカウンセリングが効果的な場合もあるが、ギャンブル依存の治療に詳しい医師の数はまだまだ少ない。患者1人当たりにかけられる診察時間も十分には取れない。医療機関が「出来ること」は限られている。

 それを補う役割が期待されるのが自助グループだ。

 国内の代表的な自助グループである「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)」は、参加者がギャンブル依存経験者と一緒に「ギャンブルのない一日」を送れるようにと、定期的なミーティングなどを中心に活動している。事前予約も参加費用も必要なく、年齢、性別、経験は一切問われない。参加は自由で、何ひとつ強制されることはない。

 目的はただ一点。「ギャンブル問題からの回復」だけだ。

 「GAは、いかなる宗教、宗派、政党、組織、団体にも縛られていない。また、どのような論争や運動にも参加せず、支持も反対もしない。私たちの本来の目的は、ギャンブルをやめることであり、ほかの強迫的ギャンブラーもギャンブルをやめることを手助けすることである」(GAのホームページより)

 田中紀子さんの夫は、都内の自助グループに通うようになった。すでにギャンブルから離れていた紀子さん自身は、依存症の家族や友人のための自助グループに出向いた。夫が病気とわかった以上、妻としてなんとかしなければならない。

 治したい。治さなくちゃいけない……。

 夫婦がそれぞれのミーティングに参加する日が続き、ギャンブルからの離脱に向けて必死になった。

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染谷 一(そめや・はじめ)

読売新聞東京本社メディア局記者
 1988年読売新聞社入社、出版局、医療情報部、文化部、調査研究本部主任研究員、メディア局専門委員などを経て、2021年5月からメディア局メディア編集部記者。

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