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早産児の退院へ支援…たん吸引など家族に助言

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 早産や低体重で生まれたために、退院後も医療的支援が必要な赤ちゃんとその家族が交流するサロンが、福岡大病院(福岡市城南区)の新生児治療回復室(GCU)で週に1度開かれている。看護師や、子どもの在宅療養を支援する認定NPO法人のメンバーが助言することもあり、新生活への不安軽減へ役立てている。

福岡大病院とNPO

早産児の退院へ支援…たん吸引など家族に助言

サロンで母親(手前)の話に耳を傾ける森山さん(右)、村山さん(中央)ら

 サロンの名前は「ニコカフェ」。昨年9月から毎週水曜日の午後、GCU内で開いている。10月には、在宅生活を始めた家族らが参加できるよう、GCU以外の会場でのニコカフェも予定している。

 サロンには同病院の新生児退院支援看護師、村山順子さん(41)や重い病気のある子どもの在宅生活を支える認定NPO法人「ニコちゃんの会」(福岡市)代表理事、森山淳子さん(53)らが待機し、退院までの流れや済ませておく行政手続き、必要な物品などの説明を行っている。月に3~10人ほど、この1年で延べ約300人が利用した。

 「当時はこれからどうなるんだろうと不安でいっぱいだった」。福岡市博多区の女性(29)は昨年9月、サロンを初めて訪れた頃をそう振り返る。

 女性は妊娠8か月に入った昨年4月、切迫早産で同病院に搬送され、長男を出産した。1179グラムの極低出生体重児で、骨や軟骨の病気も見つかり、長期入院を余儀なくされた。人工呼吸器を付け、たんの吸引など医療的支援も必要で、「退院の見込みが立たない時期で、今後の生活を想像することさえできなかった」と女性は話す。

 入院中の担当看護師に連れられてサロンを訪れると、村山さんや森山さんが温かく迎えてくれ、不安に耳を傾けてくれた。その後も医療的支援の必要な子どものいる先輩ママを紹介してもらい、自宅を訪問して話を聞くなど退院に向けて準備をした。5月の退院前には3週間の母子入院も経験。「通ううちに、息子との暮らしややるべきことが見えて自信になった」と語る。

 ニコちゃんの会は2012年から同病院と連携し、医療的なケアが必要な子どもと家族の在宅生活移行をサポート。入院中に看護師が行う医療行為も、自宅では主に家族がやることになり、少しでも不安を解消しようとサロンを開設した。

 森山さんは「母親の不安は、子どもの体調面に影響する。家族が『家に連れて帰っても大丈夫』と自然に思えるよう支えていきたい」と話している。

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