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一病息災

闘病記

[元新体操日本代表 山田海蜂さん]腰椎分離症(4)完璧主義から自分を解放

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[元新体操日本代表 山田海蜂さん]腰椎分離症(4)完璧主義から自分を解放

 ピラティスやヨガのリハビリを続けた結果、全身の状態も改善した。「思い切り踊れる」と喜んだ矢先の2016年11月、マッサージ中に肩甲骨の肉離れを起こし、再び不調に陥った。

 18年2月、ヨガの練習中に突然、痛みが全身に広がった。同時期に身内の不幸も重なり、心身ともに不安定になった。夜中に急に泣き出すこともあった。舞台が7月に終わると、緊張の反動からか、頭痛と吐き気に襲われた。朝、身体がこわばった状態で目覚める。時間をかけてストレッチをする日々が続いた。

 今年初め、「身体を酷使して踊り続けながら全快させるのは無理だ」という事実にようやく向き合えた。完璧主義から自分を解放し、目標を「10年かけて健やかな生活を送る」に変えた。指導活動をメインにすると痛みも治まってきた。身体も心地良く動くようになり、精神面も安定してきた。「身体が喜ぶと心も喜ぶ」ことに改めて気づいた。私生活もうまく回り始めた。

 7月末、公開ストレッチ講座で、頭上まで大きく足を引き上げる姿を披露すると、受講者から感嘆のどよめきが起こった。

 この身体も放置すれば、また動かなくなる。だからこそ、心身を整える大切さ、身体の動かし方を広く人々に伝えていきたい。目線は次の“舞台”に向いている。

(文・久保晶子、写真・米田育広)

元新体操日本代表 山田 ()() さん(46)

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