思春期の子どもを持つあなたに 関谷秀子
医療・健康・介護のコラム
第9部 摂食障害(下)自分にマッサージをしてくれる父親に、お菓子を作ってあげる娘。父娘の密着ぶりに母親の心の中は……
濃密すぎる父娘の関係
ある日の診察で、父親がA子さんの家での様子を次のように話しました。
A子さんは、時々、父親にアイスクリームやゼリーを手作りしているそうです。そして、それはマッサージをしてもらっていることへの「お礼」だというのです。
以前に父親がマッサージをしてあげたら、A子さんは非常に喜んだそうで、以降、いつもそれを楽しみにしており、逆にA子さんが父親にマッサージをしてあげることもあるそうです。お互いをマッサージし合うというのは、中学生の女の子と父親の関係としては、あまりにも濃密な行動です。
しかし、母親はそこではない部分を懸念していたようです。
父親が「A子は料理が得意だから、私のためにお菓子を作ってくれている」と言ったときには、たまりかねたように母親が口を開きました。
「私は料理があまりうまくなくて。A子は時々、私の代わりに夕飯を作りたいと言うんです。夫もA子の気持ちを大切にしてあげたいというのですが……」と表情を曇らせました。さらに、こうも付け加えました。
「娘が料理をするときには、娘と夫が2人で買い物に行くんです」
本来は「母親である自分の仕事」と考えている夕食づくりを娘がやることや、買い物までも娘と一緒に出かける自分の夫と娘の密着ぶりへの疑問や不満が伝わってきました。
しかし、心の中の疑問や不満については、直接、父親には伝えていないことがわかりました。
父親と娘は、夜中に2人でウォーキングに出ることもあるそうで、「まだA子は中学生なので、夜は早く寝かせたほうがいいと思っているんですが、それを止めるわけにもいかず……」と口ごもりながら言いました。
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前編だけ見ると、読み筋が変わりますね。 一方で、競技での敗北と短期的勝利のためのやせ願望と婦人科的問題は注視する必要があります。 多くのスポーツ...
前編だけ見ると、読み筋が変わりますね。
一方で、競技での敗北と短期的勝利のためのやせ願望と婦人科的問題は注視する必要があります。
多くのスポーツ団体で認知してほしい事ですが、思春期での敗北やある程度の不安定さはむしろ守られるべきです。
ただ、いずれにしても、心身の発達の問題、親子関係の問題、夫婦関係の問題、趣味の問題など絡んでいるのがよくわかります。
自身の競技や競技レベル、競技での嗜好を子供に押し付けると適性や縁、運がなかった時に不幸です。
父親が近すぎて、逃げた長女への愛情や時間を次女に注いだ父親。
同じ男性として、心中察しますが、なかなかに厄介です。
一方で、父親の仕事や夫婦関係、あるいは過去の競技における諸々をチェックすれば、それが解決策に繋がっていた可能性もあります。
父親だって、何らかの欲求があって、子供にテニスをさせていたのでしょうし、それが重ければ、別の問題やこの問題の再燃もあり得ます。
社会の繋がりや玉突き事故は中々に複雑怪奇です。
恋はエゴとエゴのシーソーゲームとか歌ってましたが、恋だけじゃないですね。
COIはありません、なんて学会の最初に書かされる時代ですが。
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