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石蔵文信の「男と女の楽しい更年期!」

コラム

昔の肩書に依存し孤立…迷える定年男性に「原始力発電」はいかが?

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 前回は、名刺や肩書がなくなる定年後、「何をしてよいのかわからない」という男性に、「新しい名刺を作りましょう」とお勧めしました。中には、リタイア後も「名誉〇〇」や「顧問」といった肩書をお持ちの方もいるでしょう。ご自分では、「私はこの団体でこれだけ頑張ってきたのだぞ!」という自負がおありでしょうが、残念ながらその団体と無関係な人にとって、その肩書は何の意味もありません。もっと意地悪な見方をすれば、「いまだに昔の団体や役職にこだわっている人」に思われるかもしれません。

過去の栄光がじゃまをして…

 

定年男性の受け皿に「原始力発電」はいかが?

 団体・企業で活動してきた方にとっては酷かもしれませんが、「定年=終わった人」なのです。問題は、終わったことではなく、終わったことを自覚するかどうかです。「終わった人」という言葉にはマイナスの印象しかないように思えますが、「終わり=始まり」と考えればワクワクするではありませんか?

 しかし、仕事人間として過ごしてきた人は、定年後に何をやればよいのかわからず、路頭に迷うことになります。趣味も、ゴルフや釣り、旅行など、会社員時代の延長か、たまにしかできないものばかりです。それならパートのような仕事をすればよいのですが、過去の栄光がじゃまをして、その気になれず、再就職が困難となります。

 では、自分で起業するのはどうでしょうか? サラリーマンが起業して成功する確率(企業生存率)は、1年で40%、5年で15%、10年で6%という絶望的な数字がネット上に示されています。中小企業白書ではもう少し良い数字になっていますが、頭を下げることが不得意の定年後男性が、退職金をつぎ込んで起業しても、かなりの確率で失敗し、老後資金を失うことになりますので注意が必要です。

 仕事をするのも難しいなら、ボランティアをすればよいかもしれませんが、頭が高く、コミュニケーション力が乏しい定年後男性は、周囲にとけ込めずに孤立し、長続きできそうにもありません。

災害時に役立つ人力発電

  そんな男性が多いのでないか?と心配し、私は5年ほど前に「日本原始力発電所協会」を立ち上げました。原始力発電には、自転車発電機や手回し発電器を使います。つまり、人力で発電するのです。

 きっかけは、2011年の東日本大震災でした。日本は地震・台風・水害など自然災害が多く、誰しもライフラインが途切れる事態に襲われる可能性があります。そんな時に少しの電力でも確保できれば、携帯電話での連絡もできるはずです。これと非常用の浄水器を組み合わせれば、飲み水の確保も可能になります。

 さらに、体を使って発電することで、健康にも寄与できます。災害時には、自転車を () ぐことで、エコノミー症候群(肺 梗塞(こうそく) )の予防にもなるはずです。

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石蔵文信(いしくら・ふみのぶ)
 内科・循環器・性機能専門医。大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。大阪市内と都内で男性更年期外来を担当。主な著書に『夫源病』(大阪大学出版会)、『男のええ加減料理』(講談社)、『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略』(幻冬舎新書)など。自転車による発電に取り組む「日本原始力発電所協会」代表を務め、男性向けの「ええかげん料理」の教室を各地で開くほか、孫育てに疲れた高齢者がネットで集う「孫育のグチ帳」を開設するなど多彩な活動をしている。ホームページは「男性更年期 夫源病 石蔵文信

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