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コラム

白血病(下)退院後に気分の落ち込み、パニック障害……「ひとりぼっちじゃないよ」患者同士で支え合い

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退院後に気持ちの落ち込み

――退院後の方が気分の落ち込みがひどかったというのは?

白血病(下)退院後に気分の落ち込み、パニック障害……「ひとりぼっちじゃないよ」患者同士で支え合い

島村 (写真) 入院中は治療のことで気持ちも体もいっぱいいっぱいで、とにかく「生きていれさえすれば良い」みたいな感覚になるので。ところが退院後は、仕事もして、今まで通りの生活を送らなければならないとなると、生きることに対してのハードルが上がるというか、急に新しい場所に放り出されてしまうような感覚がありました。元の生活に戻れるのか心配でした。

 実は入院治療中に、自分はもう本当に死んでしまうかもしれないと勝手に思って、家族と友人あてに遺書を書いたことがあるんです。きちんと文章を書く元気もなかったので短い遺書なんですけど。

 実際は予想された副作用ではあったんですけど、今から考えると、一度死ぬつもりで自分の気持ちに整理をつけていたので、また生きようとする気持ちを持つために、私には時間が必要だったのだと思います。今の状態に戻るまでに3、4年かかりました。

新井  私は退院して3年くらいたった時に、パニック障害になりました。体は普通に戻ったんですけど、気持ちが白血病なんですよね。

島村  その感じ、よくわかります。

新井  過呼吸というか急に苦しくなったりすることがあって。特に人混みとかだめになってしまったんです。そこで精神腫瘍科のある病院を紹介してもらって受診したところ、話を聞いてもらったおかげで、気持ちがす~っと軽くなりました。

精神腫瘍科の存在を知って

――ふつうの精神科ではなくて精神腫瘍科を受診されたのは?

新井  ももの木のおしゃべり会で、ある患者さんから教えてもらったのが縁です。おしゃべり会をやっていると、患者仲間の不幸なこともあるなど心理的な負担もあったのかもしれません。当時は、こうやってしゃべるのもつらくて。

 血液がんの患者は、経過が長いためにそういう状態が当たり前になってしまうのか、あまり精神腫瘍科を受診しないと聞きました。がん患者と家族のためにこういう外来があるということを知ってほしいですね。

島村  私もそういう方の事例を集めた本を読んで、楽になりました。体の回復には1年、心の回復には5年かかるという一文があり、ああ、自分だけではないんだと。回復する過程のひとつとして見てもいいんだなと。

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男性の3人に2人、女性の2人に1人が、がんになる時代です。このコーナーでは、がん種別に患者や経験者を招き、病との向き合い方を話し合います。
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