がんを語る
医療・健康・介護のコラム
白血病(上)骨髄移植や生涯服薬、タイプで違う症状や治療 抗がん剤は「テレビドラマで見たような」つらさ
「がんを語る」第5回のテーマは白血病です。血液のがんの代表で、最近では水泳選手の池江璃花子さんやシンガー・ソングライターの岡村孝子さんが病気を公表したことでもニュースになりました。白血病には多くのタイプがあり、経過や治療法もタイプによって異なります。今回はそれぞれ病気のタイプが異なる3人に集まっていただき、治療のこと、仕事や生活の悩みなどを語ってもらいました。
白血病 悪性リンパ腫などと並び、代表的な血液のがん。2018年の国内の新規患者予測数は約1万4000人。急性と慢性、骨髄性とリンパ性の違いによるタイプのほか、ウイルス感染が原因の成人T細胞白血病など様々なタイプがある。貧血や出血症状、感染による症状などが出やすい。抗がん剤などによる治療のほか、重症の場合は骨髄移植やさい帯血移植などが行われることがある。
参加者 (敬称略)

診断、即入院 抗がん剤治療、そして骨髄移植へ
――まず、それぞれの白血病のタイプや経過について教えてください。

新井 (写真) 私は急性リンパ性白血病です。発病したのは38歳で、腰の骨の痛みがきっかけで最初は整形外科にかかったんですけど、37度5分くらいの微熱が続くなどの症状もあり、「これは、すぐ専門の病院で診てもらいなさい」と。
紹介された病院で検査を受けたところ、その日の夕方には「すぐこのまま入院しましょう」と言われました。その時はまだ状況がよく理解できてなくて、自分はいったん帰るつもりだったんですけど、「明日から治療を始めましょう。骨髄移植も考えなければなりません」と告げられました。
半年ほど抗がん剤治療を続けた後、結局、骨髄移植を受けました。姉とは白血球の型(HLA)が合わなかったため、骨髄バンクでドナーを探しました。3か月で見つかったので、当時では早かった方だと思います。移植までは、そこからさらに3か月かかりました。
島村 私の病気は急性前骨髄球性白血病です。発病したのは5年ほど前。仕事は栄養士をしているんですが、たまたま膝をついて作業をした後に内出血しているのに気づいたのが始まりです。喉の痛みや歯茎からの出血もひどくて。朝起きたら口の中になめくじのような血の塊ができていたこともあり、最初は歯科や耳鼻科に行くなどしていました。
微熱も続いて体調不良が治まらず、学生時代に使用した教科書を取り出して読んだところ、自分で「これはもしかしたら、ただの体調不良ではないかもしれない」と。血液内科を受診し、その日の夜に白血病だと分かりました。最初の症状から4か月くらいかかりました。そのまま8か月間入院して、抗がん剤治療を受けました。退院後は普通に生活を送り、半年に1度通院しています。骨髄移植は、私の場合は必要ないということでしていません。
小林 お二人と違って、私の場合は慢性で基本的に進行がゆっくりしていますし、治療法もかなり違います。私は、白血病になる前の20歳代の頃に、巨細胞腫という病気で計3回手術をしています。腰の骨などにできる良性の腫瘍なのですけど、後遺症のため現在は自己導尿が必要です。そんな中でも、システムエンジニアとしてバリバリ仕事をしていたのですが、なぜかひどく疲れを感じるようになり、会社のトイレでぐったりしていたこともありました。
白血病と診断されたのは、会社の健診がきっかけです。白血球数が正常値よりもかなり高く、血液内科を受診するように指示され、病院で検査を受けたところ慢性骨髄性白血病だと分かりました。38歳の時です。
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