街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー
医療・健康・介護のコラム
大雨、台風…相次ぐ災害 「車いす」「聴覚、視覚障害」自力で避難できない人をどう助ければいい?
筆談で確実に伝える
次に、聴覚に障害がある人への支援です。
聴覚障害は見た目ではわかりにくいため、周囲が気づかないこともあります。不安な様子であったり、身ぶりで助けを求めていたりする場合は、正面に回り、正面から顔を見せ、支援の意思を示します。しっかりとアイコンタクトを取って、相手の不安な気持ちを取り除くように努めるのがポイントです。
非常時のコミュニケーション方法については、以前のコラム(/article/20190719-OYTET50006/)でも触れましたが、なるべく紙などに書き、筆談で情報を伝えるようにしてください。携帯電話などの画面を使用してもいいでしょう。口の開きや表情から読み取ってもらう「口話」では、間違って伝わる可能性があります。
行政や交通機関など情報を伝える側は、自分たちが発信している情報が「音声のみになっていないか」も確認してください。
障害物が多い場合は背負って避難
視覚に障害がある人は単独での避難は難しいため、見かけたらすぐに支援を申し出てください。 白杖 を使用していたり、盲導犬を連れていたりする場合でも支援は必要です。
周囲の状況は、なるべく具体的に伝えます。避難誘導の際は、基本的に自分のひじや肩につかまってもらい、介助者が一歩先を歩行する「手引き」を行います。ただし、障害物が多くて緊急を要する場合は、背負ったり、車いすを使ったりして避難します。
視覚に障害がある人は、周りの様子がわからないため、その恐怖感ははかりしれません。こまめに声かけをし、不安感を取り除きましょう。
その他にも、子どもや妊婦、日本語が理解できない外国の人など、緊急の情報が届きにくい人、情報が届いていても避難行動が難しい人がいます。自分が生活している地域にどのような人が住んでいるのかを知っておくことが、共助の第一歩になります。(冨樫正義 サービス介助士インストラクター)
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