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コラム

『老いの重荷は神の賜物』 樹木希林著

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『老いの重荷は神の賜物』 樹木希林著

 2018年9月に逝去した女優・樹木希林さん。本書には、樹木さんが、12年12月に慶応丸の内シティキャンパス(東京都千代田区)で講演した内容が収められている。

 61歳で乳がんを患っていることを知ったときの心境、手術直後に点滴をつけたままタクシーで帰宅して取材陣に対応したこと、再発後に「全身がん」だと公表する一方で「治療方法が何とか見つからないか」と探したこと……など、カメラの前の動じない姿からはうかがえない、一人のがん患者としての闘病経験が語られている。そして、がん患者だったジョー山中さん、加藤治子さん、佐野洋子さん、灰谷健次郎さんらと交流するなかで、「病気というものも、やはり神からいただいた 賜物(たまもの) だ」と考えるようになったとも。

 質疑応答で、夫・内田裕也さんに関して「ご苦労されたお話は?」と聞かれると、「だれが選んでくれたわけでもない、自分が選んだ夫だもの。ですよね? だから、私は自分で引き受けます」と答えた。女優として、母であり妻でもある一人の患者として生きた樹木さんの十余年、その奥行きの深さを知ることができる。

 (集英社 900円税別)

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