文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

あなたの健康百科 by メディカルトリビューン

あなたの健康百科 by メディカルトリビューン

小細胞肺がんに初の免疫療法薬が承認

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
小細胞肺がんに初の免疫療法薬が承認

 肺がんは、日本人のがん死因の第1位を占める難治性の悪性腫瘍だ。組織型(細胞組織の種類や大きさ)により「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」に分けられるが、非小細胞肺がんに対しては遺伝子異常のタイプによって治療薬を選択する個別化治療が急速に進みつつある。一方、小細胞肺がんに対しては有効な薬剤が少ないことから、新たな治療薬の登場が期待されていた。そのような中、先月(2019年8月)22日に、「進展型小細胞がん」に対する17年ぶりの新規治療薬として免疫チェックポイント阻害薬(がん免疫治療薬)である抗PD-1抗体アテゾリズマブ(商品名テセントリク)が承認された。

アテゾリズマブ併用で死亡リスクが30%減少

 全肺がんの約10~15%を占める小細胞肺がんは、進行度により、病変が片側肺に限局している「限局型」と限局型の範囲を超えてがんが進んでいる「進展型」に分けられる。

 アテゾリズマブは、進行が早く治療困難とされる進展型小細胞肺がんに対する初の免疫チェックポイント阻害薬として、化学療法(カルボプラチンおよびエトポシド)との併用により17年ぶりの新たな薬物療法選択肢に加わった。

 今回の承認は、日本を含む世界21カ国の106施設から406人の患者が参加した国際共同臨床試験IMpower133の結果に基づいたもの。IMpower133試験では、進展型小細胞肺がんに対する初回治療の全生存期間(OS)中央値は、化学療法のみを行った場合の10.3カ月に対し、化学療法にアテゾリズマブを併用した場合では12.3カ月と統計学的に有意に延長。死亡リスクは30%減少するとの良好な結果が示された。

小細胞肺がんでも個別化治療の進展に期待

 なお、わが国では全国規模の肺がん遺伝子スクリーニング(遺伝子の検査をして、目的の遺伝子変化を見つける)事業「LC-SCRUM-Japan」(エルシー・スクラム・ジャパン)が行われている。同事業において小細胞肺がんに対する治療標的となりうる遺伝子変異が同定されたことも報告されている。今後、非小細胞肺がんだけでなく、小細胞肺がんでも個別化治療が進むことが期待される。(あなたの健康百科編集部)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

kenkohyakka

あなたの健康百科
あなたの健康百科はこちら

あなたの健康百科 by メディカルトリビューンの一覧を見る

最新記事