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田村専門委員の「まるごと医療」

コラム

アフリカ開発会議で考えた 支援が届きにくい地域へ医療を届けるには? 日本の役割は?

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アフリカの地域社会の医療や保健システムを考える

アフリカ開発会議で考えた 支援が届きにくい地域へ医療を届けるには? 日本の役割は?

 日本政府や国連などが共催する第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が8月28~30日、横浜市で開かれた。会議のサイドイベントのひとつ、赤十字国際委員会(ICRC)が主催する、アフリカの地域社会の医療や保健システムを考えるシンポジウムに参加する機会をいただいた。

 貧困や感染症の流行など多くの課題に対し、様々な人道支援組織が長年にわたって取り組み続けるなかで、ラストマイルと呼ばれる最も支援の手が届きにくい地域にまでいかに医療を届けるか。日本の果たすべき役割は何かについて話を聞いた。

「経済」「社会」「平和と安定」が3本柱

 TICADは1993年に始まり、アフリカの開発や支援について話し合う国際会議として第5回までは5年ごと、前回から3年ごとに開催。今回はアフリカの53か国が参加し、官民による投資を促進するなどの「横浜宣言」を採択した。

 TICADの主要なテーマは、開発や投資などに関する内容だが、その基盤となるのは医療や保健システムを含む社会と平和の安定だ。採択された横浜宣言でも、民間が関与した投資の促進などの「経済」と並び、持続可能で (きょう)(じん) な「社会」づくり、「平和と安定」の強化が3本の柱として掲げられている。

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ

 持続可能な社会づくりの中核となるのが、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC=Universal Health Coverageの略)の実現だ。国連の掲げる、各国が達成すべき持続可能な開発目標(SDGs)のひとつで、「すべての人々が適切な予防、治療、リハビリ、緩和ケア等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」と定義される。

 「保健、水、衛生及び栄養が人的資本開発の基本的な要素であること」

 「HIV/エイズ、結核、マラリア、ポリオ、顧みられない熱帯病(NTDs)等の感染症対策が重要であることを認識」

 「公衆衛生上の緊急事態及び感染症の大流行に対する備え、早期警戒及び迅速な対応のための国及び地域の能力を強化することを決意する」

 横浜宣言ではこういった文言とともに、UHCの促進に取り組む決意が示された。

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田村 良彦(たむら・よしひこ)

 読売新聞東京本社メディア局専門委員。1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。97年から編集局医療情報室(現・医療部)で連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。西部本社社会部次長兼編集委員、東京本社編集委員(医療部)などを経て2019年6月から現職。

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