教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
嗅覚低下 防ぐ方法は?
におい意識してかぐ
Q フライパンを焦がしちゃった。娘に「焦げ臭い」と言われるまで気付かなかった。
ヨミドック 嗅覚が落ちているのかもしれませんね。
Q 鼻づまりがひどいの。
ヨ 早く治しましょう。そのうち洗濯物の生乾きやガス漏れにも気づかなくなることもあります。
Q それで解決?
ヨ 嗅覚の低下を招くほかの病気もあります。そもそも50歳を過ぎると、嗅覚は自然に落ちていきます。
Q 加齢による嗅覚低下は防げるの?
ヨ 日常生活で少し意識してにおいをかぐことです。鼻の奥の粘膜にある嗅細胞は、常に入れ替わっています。においの刺激がないと、細胞が未熟なまま死んでしまって脳に情報が伝わらず、においがわかりにくくなります。

Q なるほど!
ヨ 無理のない方法でお勧めするのは、〈1〉食べる前のご飯、みそ汁〈2〉流す前の便器〈3〉脱いですぐの靴や靴下――などを、「(これは)どんなにおいだったかな」と記憶をたどりながら意識してかぐことです。思い出しながらかぐことで、脳から、嗅細胞の新陳代謝を促す物質が出ます。
Q 自分の嗅覚が大丈夫か、知りたいわ。
ヨ 5種類のにおいを順にかぐ検査などは公的医療保険の対象ですが、実施できる病院が限られます。普及のため(検査の)機械化を目指す動きもあります。
手軽にできるものでは、日本の耳鼻科医らが作った「日常のにおい」アンケートがありますよ。鼻づまりなどのない約300人に、「炊けたご飯」「チョコレート」「生ゴミ」など20種類のにおいについて、わかるかどうかを聞いたところ、8割がすべてわかると答えました。
Q 全問正解じゃないといけないの?
ヨ かいだことのないにおいはわかりませんよね。不正解で構いません。でも、前はわかっていたのに、わからなくなったにおいがあれば、嗅覚が落ちているサインかもしれません。心配なら、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
(中島久美子/取材協力=小早川達・産業技術総合研究所研究グループ長、森恵莉・慈恵医大耳鼻咽喉科講師)
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