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大人の健康を考える「大人び」

コラム

不眠症(7)レム睡眠 夢見て異常行動

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 このシリーズでは、日本睡眠学会認定医で、上島医院(大阪府大阪狭山市)院長の渥美正彦さんに聞きます。(聞き手・古川恭一)

不眠症(7)レム睡眠 夢見て異常行動

 寝ている時に目が素早く動く「レム睡眠」は、脳が活発に働く睡眠状態で、その際に夢を見るとされます。夢は普通、脳内だけで完結しますが、今回紹介する「レム睡眠行動障害」は、夢を行動に移してしまう病気です。

 怖い夢にあらがおうとしているのか、「ぶっ殺すぞ」と大声でわめいたり、壁をたたいたりします。時には、近くにいる人を殴ったり、首を絞めたりすることさえあります。呼びかけると目覚めて行動が収まることが多く、意識が混乱したままになることはありません。

 診断では、まず丹念に症状を聞き、一晩入院してもらって脳波などを検査します。その晩暴れなくても、予兆を示すデータが取れれば、この病気と診断されます。

 60歳代後半以降の退職した男性に多い病気で、症状の出方にはストレスが関係しているようです。昼間に興奮することがあれば、旅行のようないい刺激であっても症状を誘発することがあります。家具や壁から寝床を遠ざけるといった配慮が必要でしょう。

 治療には、むずむず脚症候群にも使われる抗てんかん薬がよく効きます。服用を始めた60歳代男性は、寝言は続くものの、暴れることはなくなりました。

 発症の詳しい仕組みは不明ですが、最近の研究では、大脳と脊髄の間にある中枢神経「脳幹」に、夢を見ても体が動くのを抑える機能があり、その異常が原因らしいとわかってきました。神経の難病「パーキンソン病」のような病気の前兆になる場合もあり、継続的な診療が大切です。

【略歴】
渥美 正彦(あつみ まさひこ)
大阪市立大学医学部卒業。大阪警察病院、国立病院機構やまと精神医療センター、近畿大学医学部付属病院神経内科などを経て、2004年6月から上島医院。05年に同医院併設南大阪睡眠医療センター長。10年から同医院院長。

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