40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる
医療・健康・介護のコラム
「終のすみか」人生100年時代で想定変わり…「賃貸」「持ち家」どっちが安心?
「節約をしなくちゃ!」と思っているにもかかわらず、なかなか効果が出ないのはなぜでしょうか? 「節約をしよう」と思い立つと、多くの人は食費の節約に着手します。けれども仮に食費を月1万円節約しても、年間でトータル12万円です。今回は、食費より節約効果が高い費目についてお話ししましょう。
住居費なんて、節約できない!?
食費より節約効果が高い費目、それは「住居費」です。「住居費なんて、節約できないでしょ!?」と思われる方が多いかもしれませんね。順を追ってご説明しましょう。
前回のコラムで、3年ほど前から、にわかに「人生100年時代」と言われるようになった=長寿化が現実味を帯びてきた、と書きました。それまでのライフプランニングは「人生85年」で試算することが多かったので、単純に考えれば、15年延びたことになります。
人生100年時代の住居費について、「賃貸の場合」「購入した場合」それぞれに、貯蓄残高がどう変わっていくか、ファイナンシャル・プランナーの竹下さくらさんに試算してもらいました。
一生賃貸の場合
「子ども2人を大学まで進学させる」という条件の場合、貯蓄の「谷間」が2回できます。グラフのAは、教育費がピークになる時期。Bは、85歳以降です。
85歳をすぎると切り崩す貯蓄がなくなり赤字に転落します。
35歳で家を買った場合
教育費がピークとなるAの時期は谷間になりますが、住宅ローン完済後の貯蓄残高の減り方はゆるやかで、85歳以降も赤字にはなりません。
70歳で住宅ローンを完済した後は貯蓄を切り崩すペースがゆるやかに
【前提条件】 家族:男性30歳・妻30歳・子0歳&2歳/収入:夫(会社員年収500万円)、妻(パート年収100万円)/子どもの進路:幼稚園は私立。小・中・高は公立。大学は第1子私立文系、第2子私立理系(6年)/退職金:65歳1500万円/住まい:〈賃貸の場合〉年間の住居費120万円(家賃月10万円)・更新料は考えない〈購入した場合〉35歳で3000万円の住宅ローンを組んで3200万円の物件を購入。完済時期は70歳。金利1%。住宅の維持費は年間30万円。75歳で1500万円のリフォーム(住宅メンテナンス費用)を拠出 |
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