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元バレーボール日本代表 益子直美さん

一病息災

[元バレーボール日本代表 益子直美さん]心房細動(5)経験基に「怒らない大会」

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[元バレーボール日本代表 益子直美さん]心房細動(5)経験元に「怒らない大会」

 引退時、バレーボールが嫌いになっていた。「なんでそんなボールが取れないんだ!」。怒られて 萎縮いしゅく し、自分で物事が考えられなくなった。部活を始めた中学1年生から25歳で引退するまで治らなかった下痢は、ストレスが原因だった。

 バレーボールの解説やリポーターの仕事も引き受けたが、ストレスで片頭痛の発作が起きた。バレーボールの仕事は、できれば避けたかった。

 45歳で不妊治療を諦め、気分一新、神奈川・湘南に転居した。新しい暮らしの中で、バレーボールへの思いも変わった。知人に依頼され、2015年1月、福岡県で「益子直美カップ小学生バレーボール大会」を開催することになった。

 「監督は怒ってはいけません。監督が怒ったら、私が怒りに行きます」。第1回大会の参加55チームの前で独自のルールを説明した。「小学生には楽しんでスポーツをしてほしい」。「監督が怒らない」大会は今年5回目を迎え、神奈川県にも広がった。

 「バレーボールのおかげで今の私がある」。素直にそう感じ、積極的に関わっていきたいと思うようになった。心房細動は今もストレスがかかると、発作が起こることがある。薬も使いながら付き合っている。

(文・渡辺勝敏、写真・今野絵里)

元バレーボール日本代表  (ます)()直美さん(53)

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