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未就学児の肥満対策…早めに生活習慣を改善

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 幼児期の肥満は将来の糖尿病や心臓病のリスクを高める。小児関連の学会などでつくる協議会は、小学校に上がる前の子どもを対象とした肥満対策の手引をまとめ、予防と改善に向けた取り組みを紹介している。(野村昌玄)

未就学児の肥満対策…早めに生活習慣を改善

  専門家が手引作成

 幼児期に太っていると、思春期にさらに肥満が進行しやすいことが、国内外の研究で分かってきた。このため、幼児期から始められる対策の手引として、日本小児科学会や日本小児保健協会などの医師らでつくる協議会が今春、「幼児肥満ガイド」を新たに作った。

 日本肥満学会は、子どもの肥満に関する診療指針を作成しているが、現行版は5歳以下を対象にしていないことも、背景にある。

 ガイドでは、肥満かどうかを「標準体重」という指標を使って判定する。厚生労働省が2000年に行った「乳幼児身体発育調査」に基づき、身長に一定の係数を当てはめて男女別に算出。肥満度が15%以上で「肥満」とされる。

 成人の場合、体重(キロ・グラム)を身長(メートル)で2回割ったBMI(体格指数)で判定する。日本肥満学会は25以上を肥満と定めるが、子どもはBMIが目まぐるしく変わるため、肥満判定には使わない。

 ガイドでは、食事や運動と並んで、睡眠の重要性を強調している。就寝時間が遅く睡眠時間が短い子どもほど、肥満になりやすいという研究結果を紹介。朝食を抜き夜食をとるなど、肥満の原因となる食生活を防ぐためにも、睡眠習慣を整えることが大切だとする。

 また、スマートフォンやタブレットなどの電子メディアとの接触は、運動不足や睡眠にも影響することから、1日1時間までに制限することも提案している。

 BMIも目安に

 子どもの肥満の兆候を見極める目安として、BMIが有用であることも紹介している。乳幼児のBMIは通常、生後半年ほどまでにピークに達すると、その後は徐々に下がり、6歳前後で最も低くなる。

 乳幼児期に体重が増えるのは、一般的には好ましいことだが、身長の伸びに比べて、体重が過度に増加しているケースは要注意だ。乳幼児健診でBMIが1歳半の時よりも3歳時の方が高ければ、生活習慣を改善し、体重の推移を注意深く見守る必要があるという。

 ガイド作成委員会の委員長を務めた、小児科医で東京家政学院大教授の原光彦さんは「この時期に適切な対応をしなければ、その後も肥満となるリスクが高い」と指摘する。

 東北地方在住の女子中学生(12)は、小学1年時の健康診断で、肥満度が40%を超えた。血糖値もやや高く、東京都内の総合病院にある小児生活習慣病外来を受診した。

 女子生徒は3歳の頃から肥満で、外でほとんど遊ばなくなっていた。主治医の原さんは魚を主菜にした和食を薦め、体を動かし体重を毎日記録するよう指導。女子生徒は現在、肥満から脱しつつある。

 原さんは「共働き世帯が増えているが、子どもと触れあう時間を少しでも増やし、ガイドを参考にして、生活習慣のことも気にかけてほしい」と話している。

 幼児肥満ガイドは、日本小児科学会のウェブサイトからダウンロードできる。

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