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田村専門委員の「まるごと医療」

コラム

WHO「加熱式たばこは従来製品と同様に規制すべきだ」…世界のたばこ蔓延に関する報告書

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たばこ規制に六つの指標「MPOWER」

WHO「加熱式たばこは従来製品と同様に規制すべきだ」…世界のたばこ蔓延に関する報告書

 世界保健機関(WHO)は2019年7月、たばこの世界的な 蔓延(まんえん) に関する報告書を発表した。たばこの健康被害を防ぐため各国が連携して規制に取り組むことをうたった「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」に基づく、対策の 進捗(しんちょく) 状況をまとめたもので、報告書は2008年から原則2年ごとにまとめられ、今回で7回目となる。

 WHOが効果的なたばこ対策を進めるうえでの指標として掲げているのが、英語の頭文字をとった「MPOWER(エムパワー)」と呼ばれる次の六つの柱だ。

 M たばこの使用と予防策の監視
 P たばこの煙から人々を守る
 O 禁煙支援の提供
 W たばこの危険性の警告
 E たばこ広告や販促、スポンサーの禁止
 R たばこにかかる税金の引き上げ

 これらの項目について各国の状況を4段階で評価し、取り組みを促している。

公共の場所の禁煙化 ランクアップも下から2番目

 今回の報告書では「禁煙支援の提供」の取り組みについて詳しく解説され、国が禁煙支援の提供を行っていることなど4段階で最高評価だったのは23か国。日本は2番目のランクだった。

 ちなみに日本は、4段階で最高ランクに評価されているのは「監視」の項目のみ。公共の場所を禁煙にするなどの「たばこの煙から人々を守る」対策は、2年前は最下位のレベルだったのが、今回の報告書では下から2番目にワンランクアップした。そのほかの「警告」は下から2番目、「広告などの禁止」は最低、「税金」は上から2番目のランクとされている。

加熱式たばこと電子たばこについて特記

 今回の報告書で特徴的なのは、いわゆる新型たばこと呼ばれる「加熱式たばこ」と「電子たばこ」について、それぞれ独立した章を設け、解説を加えて注意を喚起したことだ。

 このうち加熱式たばこは、世界40か国以上で使われている。特に日本では2016年頃から急速に広がった。

 「新型タバコの本当のリスク アイコス、グロー、プルーム・テックの科学」の著者で大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部の田淵貴大さんによると、インターネットの調査で今や日本人の成人の約10%が加熱式たばこを使っていると推定される。従来型の紙巻きたばこと併用しているケースが多いという。

 WHO報告書が強く訴えるのは、現状では加熱式たばこの健康被害が従来型のたばこよりも少ないとは言えないこと、形態がどうであれ、たばこである以上はたばこ製品として規制されるべきであるとの考え方だ。以下、箇条書きにされた加熱式たばこについての基本情報と各国への推奨を列記する。

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田村 良彦(たむら・よしひこ)

 読売新聞東京本社メディア局専門委員。1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。97年から編集局医療情報室(現・医療部)で連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。西部本社社会部次長兼編集委員、東京本社編集委員(医療部)などを経て2019年6月から現職。

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