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癌にとらわれることで見失ってしまうもの

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

以前の投稿内用ともかぶりますが、癌患者は癌だけで構成されるわけではなく、癌という病変を持った患者、病変を持った一般人という考え方が大事です。
しかし、癌という言葉の重み、イメージの重みがその人や家族の思考から客観性を奪います。
逆に、癌の患者やフィルムを見慣れて落ち着いている人の方が、確率論で言えば異常者です。

ピンピンコロリが理想とは言いますが、おそらく、太平洋戦争で亡くなった兵士の大半は本音では死にたくないと思っていたはずですし、ましてや、餓死や戦闘不能による自殺強要なんか望まなかったと思います。

言い換えれば、平和とか飽食とか、前提条件によって人の意識は変わるということで、がんの発見や告知のその中の要素に過ぎないということです。

データはデータに過ぎず、あくまで確率論の上、不完全なものに過ぎません。
その不完全性との向き合い方はプロでも厄介ですが、患者や家族といった一般人の多くにはもっとしんどいでしょう。
だからこそ、癌で死ぬことが幸福か不幸かの判断が一概に言えないになるのではないかと思います。

いま国際情勢も揺れていますが、戦いなんかしない方が良いですし、どうせ戦うなら勝たなければ意味がない、というのは一つの真理だと思います。

これをすれば、幸福とか、人生に勝てるというのはないでしょうが、何かしら、幸福のフラグメントの見つけ方とかそういうのは大事なのかもしれませんね。
多分、多くの人にとっての分岐点は、癌そのものにはありません。

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