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手探りの緩和ケア(5)現実と制度のギャップ

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手探りの緩和ケア(5)現実と制度のギャップ

センターに入って間もない頃、友人に赤飯のレシピを教える西原さん(右手前)。「人に喜んでもらうのが好きなの」と話していた(武末さん提供)

 「西原さんのこと、どうにかならないんですか」

 今年5月下旬、中津市民病院(大分県中津市)の一室。社会福祉士(ソーシャルワーカー)の矢岡景子さんは、緩和ケアセンター長の武末文男さんに泣きながら訴えた。

 センターにいるがん患者、西原ケイ子さん(86)の生活上の支援を担当してきた。前日、入院して60日たてば予定通り施設に移ってもらうと、武末さんが本人に伝えた場にも同席していた。闘病生活には、それまでもつらい場面はあった。だが、矢岡さんが西原さんの涙を見たのは、そのときが初めてだった。

 「ここにいたいという思いがひしひしと伝わってきて。施設に移ってもらうことが、一番いい支援なのかと悩みました」。矢岡さんは心境を打ち明けた。

 国は、緩和ケア病棟の入院料について、入院期間が短いほど高く、長くなると下がる方式をとっている。入院期間を短くする方向に病院を誘導し、在宅でのみとりを増やして、全体の医療費を抑えるのが目的だ。

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