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コラム

『追体験 霧晴れる時』 青木聖久著

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『追体験 霧晴れる時』 青木聖久著

 副題に「今および未来を生きる 精神障がいのある人の家族 15のモノガタリ」とある。筆者は、精神保健福祉士として、長く精神障害のある人と家族を支援してきた日本福祉大教授。

 親や子、兄弟姉妹が精神障害を発症したら、その日から人生はどう変わるのだろうか。本書に集められた15の人生は、それぞれに苦難の歴史が詰まっている。「父の病気のことは、人に話してはいけないのではないか」と思いながら育った息子、阪神・淡路大震災の避難時に息子が発症し、その急性期を被災生活の中で送った母、弟が入院していた病棟の窓が鉄格子で覆われていたと振り返る姉……重く 凄絶(せいぜつ) な物語が続く。しかし、いつしか家族たちは光を見いだしていく。それは、同様な思いをしてきた「家族」や支援者との「出会い」と「つながり」だった。

 「お父さんは、どうして僕のことをわかろうとしてくれないの」という26歳の息子の言葉に目覚めさせられた父のケースも紹介されている。連続する困難を経て、家族のほうが自分らしい生き方を取り戻していくこともある。周囲に障害のある人がいるか否かにかかわらず、読む者の視点を揺り動かしてくれる「追体験」がここにある。

 (ペンコム 1300円税別)

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