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第25回口腔保健シンポジウム

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【第25回 口腔保健シンポジウム】(1)心身が衰え自立度低下

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 「お口が大切! 健康寿命~ 秘訣ひけつ はオーラルフレイルの予防~」をテーマにした「第25回 口腔こうくう 保健シンポジウム」が今月6日、東京・大手町のよみうり大手町ホールで開かれ、約400人が参加した。1994年に東京で開催された「世界口腔保健学術大会」を記念し、市民にお口の健康への関心を高めてもらう恒例の企画。口の中の老化が全身に及ぼす影響などについて専門家が解説した。女優の生稲晃子さんを交えてパネルディスカッションなども行われた。

パネリスト(敬称略)
飯島勝矢 東京大学高齢社会総合研究機構教授
平野浩彦 東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長
生稲晃子 女優、タレント
吉良直子 口からの健康作りを啓発する市民団体「歯っぴーかむカム」代表、歯科医師
松沢知砂 NPO法人東葛地区婚活支援ネットワーク(千葉)副代表
三宅民夫 元NHKエグゼクティブアナウンサー・コーディネーター

主催 日本歯科医師会
共催 NHKエンタープライズ
後援 厚生労働省、8020推進財団、日本歯科医学会、読売新聞社ほか
協賛 サンスター株式会社

飯島 勝矢氏

【第25回 口腔保健シンポジウム】(1)心身が衰え自立度低下

 「虚弱」を意味する「フレイル」は、病名ではありません。人が老化とともに必ず通る道です。要介護と健康の中間の、衰えが重なっていく時期のことです。関節が硬くなったり、筋力が弱まったりして、要介護の状態に近づきますが、本人が気づいて、少しでも早く自身の生活習慣を改善していけば、様々な機能を戻せます。

 前向きになれない、人の輪に入りにくい、閉じこもりがちになる――など、社会性がなくなって生活範囲が狭まったり、心が内向きになったりすることが、体の衰えと絡み合い、私たちの自立度を低下させていきます。

 自立している高齢者の活動を、スポーツなどの身体活動、音楽や囲碁将棋などの文化活動、ボランティアなどの地域活動に分けると、三つ全部を実践している人に比べ、三つとも実践していない人のフレイルのリスクは約16倍も高いことがわかりました。身体活動だけの場合も若干、リスクが高く、三つの活動をバランス良く行うことが大事です。

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 口の衰えのことを、「オーラルフレイル」と言います。健在な歯の本数だけでなく、むせたり、硬い物がかみにくかったり、滑舌が悪くなったりと、最初は生活にそれほど困らないぐらいの口の衰えが、全身につながり、悪いことが重なっていきます。わずかなサインを見逃さないことが重要です。

 千葉県柏市に住む65歳以上の自立している高齢者約2000人を対象にした調査があります。2012年から6年間を追跡すると、体の衰えより、口の衰えの進行が少し早い人が結構いました。オーラルフレイルの人たちの4年間の経過を見ると、死亡リスクはオーラルフレイルでない人の2・1倍、要介護認定を受けた人は同2・4倍に上りました。

 全身の筋肉量が減ると、動きが緩慢になり、日常活動が狭まっていきます。

 フレイルの問題を、自分の問題と受け止めてください。自分がオーラルフレイルになっているかどうかチェックできます=図参照=。点数が高いとリスクが高くなります。自分の状態になるべく早く気づき、その段階で歯科医師に相談するなど改善に取り組んでください。

 ◇いいじま・かつや  1990年東京慈恵会医科大学卒業。千葉大学病院、東京大学加齢医学講座講師、米スタンフォード大学研究員などを経て2016年から東京大学高齢社会総合研究機構教授。内閣府「1億総活躍国民会議」の有識者民間議員。

 参考になるウェブサイト
◇日本歯科医師会 テーマパーク8020
https://www.jda.or.jp/park/
◇サンスター オーラルフレイル情報サイト
http://jp.sunstar.com/oral-frail/

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